【解説記事】もう逃がさない!反響客を来店へ導く「追客」が必要な理由
2022年05月09日
山本悠輔(全国賃貸住宅新聞)「来店客数が伸びない」
仲介会社からこんな声を聞く機会が増えました。飛び込み来店する人が減った、という単純なものではなく、「この部屋空いてますか?」という問い合わせ顧客を来店に結び付けられない、反響来店率の低下を憂うものも少なくありません。
コロナ禍以降、多くの仲介会社は、ポータルサイトの出稿を強化し反響を伸ばしました。にも関わらず、肝心の来店者数が伸びていません。背景には、反響と来店の間にある「追客」の重要度が、増したことが関係しているようです。今回は、ポータルサイト、ホームページ、SNSアカウントから得た反響を、来店や商談につなげる「追客」をテーマに取り上げます。
オンライン反響から、来店までつなげる追客の可能性
追客の重要度が高まった理由は、消費者がオンラインで部屋探しに必要な情報を収拾しやすくなったことが関係しています。以前、賃貸トレンドニュースに出演したアットホームの江崎恵子さんは「SNSの普及で、ビジュアルから多くの情報を得る時代になった」と話しています。また、京都府の大手管理会社・長栄の奥野雅裕本部長も「空室解消には、まずポータルサイトの中で選ばれる物件広告の工夫が必要」と語っていました。それほど、ネットの情報を消費者が重要視するようになった。ということです。
また、消費者は、TikTok、InstagramなどのSNS、ジモティーといった交流サイトでも、部屋探しに関わる情報を集められるようになりました。情報提供元が増えたことにより、わざわざ不動産会社の店頭やウェブサイトにさえ行かなくても、情報が得られるようになっています。
電話・メールを凌ぐLINE追客ってどうやるの?
部屋探しに関わる消費者の情報収拾機会が広がるということは、不動産会社が反響に対応する範囲を広げる必要があるということです。不動産会社がウェブ集客を強化するには、来店や商談に誘致するための顧客対応機会を増やし、誘致合戦に勝つための営業力を高めなくてはなりません。
具体的な追客方法は3つあります。最もオーソドックスなのは、電話です。ポータルサイトなどから反響を得た時に、エンドユーザーが記入した電話番号に仲介担当者が架電し、来店誘致します。ただし、知らない番号からの着信を無視する人も多いため、効果は薄れつつあります。
次に、メールやショートメッセージです。電話と違ってお互いの時間を拘束しないことがメリットですが、迷惑メールに保存されたり、返信を忘れられることも少なくありません。
今最も効果を期待されるのは、「LINE」です。5月26日の賃貸トレンドニュースでは「LINE」を使った追客や、SNS経由で商談まで導く手法で成果をあげる不動産会社に話を聞きます。