「DXによる情報の一元化で、ヒューマンエラーをゼロに」 ビレッジハウス・マネジメント 岩元CEOインタビュー

2022年05月09日

山本悠輔(全国賃貸住宅新聞)

 全国に約10万戸の旧雇用促進住宅を管理しているフォートレス・インベストメントグループ傘下のビレッジハウス・マネジメント。同社の掲げるDXは、正確な情報集約と、ビッグデータ活用による業務の効率化です。賃貸業界に新たな風を吹き込む岩元龍彦CEOに、DX化の目的と今後の展開を聞きました。

取材対象者プロフィール

岩元龍彦(いわもと・たつひこ)
ビレッジハウス・マネジメント株式会社 最高経営責任者(CEO)
フォートレス・インベスト メント・グループ・ジャパン合同会社
マネージング・ディレクター

 

報告書をすべてIT化 ヒューマンエラーのリスクを減らす

▲旧雇用促進住宅を全国に約10万戸管理している。

山本 10万戸を超える物件が全国に広がっていると、管理するだけでも大変だと思います。現場で起こっていることを本社でも把握するとなると、なおさらですよね。DX化による情報集約の手法を、教えてください。

岩元 当社の体制として、物件ごとに管理人さんが在中しています。その管理人さんを管轄している支社があり、そして支社を本部が統括している。という形です。つまり、現場の声が本部に届くまで、どうしてもラグやリスクが発生してしまいます。そこで、管理人さんにスマートフォンを貸与し、報告をすべてクラウドで管理する手段を取りました。こうすることで、現場と本部の間に生じていたリスクを解消することができます。

山本 物件ごとに常駐しているスタッフがいるのは、一般的な賃貸物件では珍しいですね。

岩元 そこが、当社ならではの強みです。オーナー、管理会社、仲介会社といった立場の違いから起こるトラブルなどを極力減らすことができます。常駐している管理人さんの業務は、現場で行われていること全てです。入居希望者の内見案内から、退去立会、物件の掃除も担っています。そのため、当社の物件は全国にありますが、抑えておくべきポイントは明確です。ここに、DXを導入することによって、コミュニケーションをより正確に、より密度高く図ることができると考えています。

▲物件ごとに常駐する管理人。平均年齢は65歳を超える

山本 報告をデジタル化することにより、具体的にはどのように業務が改善されたのでしょうか。

岩元 これまでは、手書きとFAXで対応していました。そうすると、本部に共有されるまで時間がかかったり、文字が潰れてしまっていたりと、何かと問題が付いて回ります。実際に、現場・本部における情報の非対称性の問題を長らく抱えていました。また、管理人さんは、物件を巡回した後で事務所に帰宅してから報告書を書く。という勤務時間の面でもコストとなっていました。これが、スマートフォンで対応すると、その場で入力が可能です。そして記載された情報はリアルタイムで本部でも確認できます。情報の非対称性と業務効率という2つの課題を、一手に解決へと導けると思います。

DX化には根気強い対応が必要不可欠

山本 なるほど。管理戸数10万戸を超える貴社には、DX化のメリットはずいぶんと大きそうですね。ただ、一筋縄では行かない事もあったと思います。例えば、FAXからスマートフォンへの切り替え。業務フローの変更には反発は起こりましたか。

岩元 DX化を推進するうえで苦労したことの一つが、管理人さんのスマホ使用です。平均年齢が65歳を超える高齢者に、スマートフォンを業務で使ってもらう。というのはハードルが高いことでした。当社でも、エリアごとに複数回研修を行うなどの対応策を打ちました。今では、随分浸透してきたと実感しています。DX化には、根気強い協力が必要であることは間違いないですね。これからは、DX化によって集約された物件・入居者のビッグデータを活用して、より効率的に、より満足度の高いサービスを提供していきたいと考えています。

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