アットホームインタビュー ポータル検索は「ビジュアル重視」の時代へ

2022年01月13日

トレンドニュース制作部

 物件のグレードは高いのに、家賃は安く設定しているのに決まらない。ポータルサイトを使いこなせていない気がする。といった悩みを持つ不動産会社も多いだろう。激動の時代と共に、部屋探しニーズも変化しつつある。

 大手ポータルサイトを運営するアットホーム メディア戦略グループの江崎恵子さんに、 部屋探しユーザーが求めるポイントを聞いた。

SNS普及により、画像・写真のニーズが拡大

 アットホームでは、2020年のアプリリニューアルに伴い、引っ越しを経験したカップルに、当時の話をヒアリングすると、近年の傾向としてポータルサイトに掲載された物件画像が、部屋選定の大きな指標となる。ということが分かってきたという。

 これまでは、立地や築年数、周辺環境といった具体的な物件情報が重要視されていた。しかし、最低限の条件をクリアした後、画像情報で雰囲気などをイメージする。という工程が若者ユーザーを中心に加わるようになった。こうした傾向を、同社の江崎恵子さんは「YouTubeやInstagram、TikTokといったビジュアル重視のSNSの普及により、広がっていったものだろう」と推測している。

現地内覧のイメージで、ビジュアル情報を提供する


 では、部屋探しのユーザーは、物件画像に何を求めているのだろうか。アットホームでは、ユーザーのアンケート結果から

イメージ(広さ、生活感)
使い勝手(キッチンの調理スペース、収納点数)
設備(コンロ、IH、追い炊き機能)

の3つを上げた。いずれも現地内見で確認できるが、これらの情報をネット検索の時点から要求するようになったという。

 ユーザーの新たなニーズに応えるためには、画像点数の充実や角度や構図を変えた写真の掲載が必要になる。例えば、キッチン一つ取っても、キッチン全体、引き出し収納の奥行き、コンロ点数、洗い場の広さなどが上げられる。もちろん、掲載点数には限りがあるが、できるだけ多くの情報を画像でユーザー側に提供できた不動産会社が反響を獲得する。という流れは、今後ますます加速しそうだ。


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