将来の大規模修繕の費用に備える、家主のための共済【国土交通大臣許可】
2024年01月25日
掛金は全額経費計上で節税効果も
賃貸住宅の大規模修繕には多額の出費が伴います。その費用(掛金)を経費として計上しながら、月払い、もしくは年払いで準備することのできる「賃貸住宅修繕共済」ができました。この仕組みを作ったのは、全国の主要な賃貸管理会社が加盟する業界団体「全国賃貸管理ビジネス協会」と、全国の賃貸住宅経営者を会員とする「公益社団法人全国賃貸住宅経営者協会連合会」を母体とする、全国賃貸住宅修繕共済協同組合です。対象範囲は、屋根や外壁、設備など共用部に関わる修繕費です。将来必要となる工事の費用に対応し、払った掛金を経費計上でき、事業承継にも有効です。
全国賃貸住宅修繕共済協同組合 / 賃貸住宅修繕共済
屋根、外壁、共用部の修繕費用に対応
「賃貸住宅修繕共済」は、賃貸住宅を所有する家主のための、大規模修繕工事の費用に対応する共済制度です。補償対象となるのは、賃貸住宅の屋根、外壁、共用部、設備などに関わる修繕費用です。
建物は、木造、軽量鉄骨造、 RC造、重量鉄骨造など、どのような構造にも対応します。賃貸住宅を所有する家主であれば、個人でも法人でも加入できます。
受取金額の設定方法は、戸数に合わせて掛金を設定する「戸数別モデルコース」と、長期修繕計画書にあわせて設定する「長期修繕計画書作成コース」の2つがあります。掛金の支払い方法は、どちらのコースを選んでも、月払いと年払いを選択できます。月額の掛け金は2万円~で、加入期間は10~50年です。申し込みは、共済代理店を通じて行います。
支払った掛金の全額が経費として計上でき、節税になる
共済制度を使って大規模修繕費用を用意することには、3つのメリットがあります。
1つ目は、共済掛金を全額経費として計上できることです。毎年の税額を減らすことで、節税の恩恵を受けることができます。
2つ目は、事業承継やオーナーチェンジに対応できることです。家族間で賃貸経営を引き継ぐとき、あるいは、不動産を売却するときに、共済契約も次の家主に引き継ぐことができます。
3つ目は、第三者の視点から建物の劣化状況に関するチェックを受けられることです。共済加入後、代理店である管理会社が、建物の定期検査を、年に1回行います。建物の劣化を見逃さずに修繕すれば、資産価値を維持することにつながります。
自主管理オーナーも加入できる
「賃貸住宅修繕共済」は、2022年6月からスタートした新しい制度です。現在の加入者は、個人が約6割です。建物の構造は、木造が5割、築20年以上が5割を占めています。加入者の多くは、1回目の大規模修繕工事を終えた家主も多く、次の工事資金の準備のために加入を検討するようです。
契約終了時の満期額は、500万円以下を設定しているケースが多く、大規模修繕費用の一部を修繕共済でまかなうイメージで加入しています。
加入は、共済代理店である管理会社から申し込みます。自主管理オーナーでも、共済代理店※ を通じて加入できます。※一部代理店を除く
加入した家主の事例を見るなら…▼
これまでなかった、賃貸住宅向けの仕組みが誕生
分譲マンションでは、将来の大規模修繕費用の積み立ては当たり前のこととなっていますが、民間の賃貸物件では、そうした考えはあまり広がっていません。しかし、経年劣化に備えることの重要性は変わりません。その必要性を唱え、国土交通大臣から認可されたのが、「賃貸住宅修繕共済」です。
制度を運営するのは、「全国賃貸管理ビジネス協会」と「全国賃貸住宅経営者協会連合会」が共同で設立した、全国賃貸住宅修繕共済協同組合です。
同組合の事務局の溝端祐三課長は、「賃貸住宅のオーナーも、大規模修繕工事を計画的に行い、その費用を準備しておく心構えが求められる。現在の収益の一部を経費にしながら備えられるこの共済制度を利用して、将来の安心につなげてほしい」と話しています。
制度名:賃貸住宅修繕共済
契約者:賃貸住宅オーナー(個人・法人いずれの名義も可能)
共済期間:10年~50年の範囲内で1年ごとに自由設定(累計50年間の継続加入可能)
対象物件:賃貸住宅(戸建て含む)
補償対象部位:屋根・外壁・軒裏・すべての共用部
掛金の支払い:口座振替(月払いまたは年払い)
返戻金・満期金:なし
名称:全国賃貸住宅修繕共済協同組合
設立:2021年
代表理事:高橋誠一
主な事業:組合員のためにする共済事業、組合員の福利厚生に関する事業、組合員の知識の向上を図る事業、前各号の事業に附帯する事業
所在地:東京都千代田区丸の内1-8-3 丸の内トラストタワー本館24階
連絡先:[電話]03-6275-6707(平日9:00~17:00)、[E-mail]shuzen_kyosai@pbn.jp