入居者に人気の設備ランキングから見る、コロナ下で求められる賃貸住宅とは

2021年12月12日

トレンドニュース制作部

 新型コロナウイルスの影響で、生活スタイルに大きな変化が生じた。全国賃貸住宅新聞10月18日号で取り上げた「入居者に人気の設備ランキング」から、コロナ下でニーズが増えた設備を抜粋し、今後求められる賃貸住宅を解説する。

 「住宅設備」とひと口に取り上げても、対象となる商材は幅広い。玄関外の共用部に設置されるゴミストッカ―から、室内の生活環境を快適にするインターネット関係まで含んでいる。(図1)のコロナ下でニーズが増えた設備では、その中でも各住戸の中に取り入れる設備のランクインが目立つ。「おうち時間」を充実したいニーズは根強く、今後最も注目するべきカテゴリーだ。


第6位 BS CSアンテナ  子育て世帯に根強いTV人気

 第6位のランクインとなったBC CSアンテナ。在宅勤務の増加により、インターネットだけではなくテレビ視聴の機会が増えたことが要因となった。特にファミリー層からの需要が目立つという。年間約600戸の仲介を行う杉住宅(愛媛県松山市)の担当者は「松山市の物件はファミリーや母子家庭の入居が多い。BS CSニーズは高まってきている」と語る。インターネットには触れていない幼少児がいる家庭では、テレビ人気は根強い。


第5位 遮音性の高い窓 おうち時間で騒音問題が顕在化

遮音性の高い窓が5位のランクインとなった。おうち時間で騒音問題が顕在化。在宅勤務での会議やオンライン授業で、外部とコミュニケーションをとる機会も多い。賃貸住宅の遮音性・断熱性は実需向けの住宅と比較しても低いのが特徴だ。隣人の物音に敏感になり、管理会社へクレームが入った。という話もこの1年でよく耳にする。ペアガラスや二重サッシなど、遮音性を高める窓の存在感が増している。


第2位 高速インターネット テレワーク普及により躍進

 コロナ下で一気に人気が高まったのが、高速インターネット。今回のランキングでは2位に躍り出た。在宅勤務でのネット利用が大きな要因となる。これまでのネット利用は、動画の視聴やサイトの閲覧などが一般的だった。しかし、オンライン会議や動画配信など、ユーザー側から発信する機会が増えたため、より早いネット速度の環境が求められるようになった。ちなみに、ネット回線に知識のある入居者から「速度1000MBPs以上の物件に入居したい」と具体的な数値で要望されたケースもあったようで、ネットでの生活が普及する中で、仲介担当者にも最低限の知識を求められるようになってきている。


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