共用部の清掃・点検のエキスパートを輩出する、専門事業者
2025年02月27日

たてものサービス(埼玉県さいたま市)は、賃貸アパートやマンションの共用部を清掃・点検する専門事業者です。バラツキのない作業品質で、3営業日以内に電子報告を行い、1棟から月1回からでも作業を請け負います。1都3県を中心に、地域密着型の不動産会社や家主からの依頼を受け、2025年1月現在、1400のクライアントから、毎月2450物件の清掃・点検を受注しています。今、建物の清掃に求められているのは何か、鈴木範之社長に話を聞きました。
たてものサービス 概要
2010年設立の清掃事業専門事業者。メインの事業は、建物共用部の清掃・点検・報告。2025年1月現在、クライアント数1400件、月間受注2450物件で、1都3県を中心に直営6店舗、業務委託17店舗を構える。その9割をアパート・マンションの清掃が占める。サービスのボリュームゾーンは月2回清掃・点検で、標準的な料金は1棟10戸単身向けアパートで月額8800円(税込み)。作業後3営業日以内に、報告書(画像入りPDF)を建物管理者へメールで送信する、独自の電子報告システムを運用する。
■CONTENTS
「共用部の日常清掃をおろそかにしてはいけない」
————— “共用部の清掃”というワードで検索をすると、「おそうじチャンネル」のYouTube動画がヒットします。解説付きの清掃に、思わず見入ってしまいます。アパートやマンションをもつ、家主や管理会社の方も見ているのではないでしょうか
鈴木) 「掃除は誰でも簡単にできる…」と思われがちですが、実は奥が深い作業です。集合住宅の共用部の清掃にはコツもスキルもいります。「日常清掃ってどんな仕事?」という動画では、共用部の清掃の現場を見てもらえるようにしました。 ▶
賃貸住宅はこれまで、部屋の中はきれいにしても、共用部の荒れた状態を気に留めない家主や管理会社もいました。とはいえ、住む人にとって、共用部は毎日使う生活の場。きちんと清掃することにビジネスチャンスがあると考えて、「たてものサービス」のメイン事業に位置づけました。

Profire たてものサービス 代表取締役社長/笑顔創出責任者 鈴木範之
1973年生まれ、埼玉県出身。大学卒業後、専門書の出版社を経て編集プロダクションに勤務。勤務先の倒産をきっかけに清掃業界へ。大手清掃会社で経験を積み、2007年「おそうじバイク便」を創業。2010年「たてものサービス」を設立。集合住宅の共用部とオフィスの清掃・巡回・点検を行う。一般社団法人日常清掃協会理事長も務める。主な資格:1級ビルクリーニング技能士、清掃作業監督者、病院清掃受託責任者、障碍者清掃作業指導員コース終了、米国IICRC認定CCMT(コマーシャルカーペットメンテナンステクニシャン)など
————— 簡単な清掃ではない…。例えば、どういった難しさがあるのでしょう
鈴木) 建物も、外回りも、清掃には1年を通して臨機応変な対応が求められます。春はゴミの未分別が多くなりますし、強風による砂ぼこりや黄砂が積もります。夏は雑草やクモの巣が増え、ゴミ置き場のニオイも対策しなくてはなりません。秋は大量の落ち葉も。季節に関係ないですが、不用品の撤去などもあります。
私たちが清掃を通してめざしているのは、入居者が快適に暮らせる「安心感」です。建物に異常がないかの点検も大事です。清掃後は、わかりやすく素早い作業報告も心掛けています。


「サービス均質化のため、日常清掃協会を立ち上げた」
————— 鈴木社長は2022年に一般社団法人日常清掃協会を立ち上げ、翌年から協会で「巡回清掃士」という資格を取るための講座を提供されています。清掃の質を追求するために始めたのですか
鈴木) 日常清掃に正解はありませんが、人によっては自分がいいと思ったやり方で進めてしまい、ニーズに合わないことも出てきます。そこで、清掃業務のスタンダードをマニュアル化して、誰でも学べるようにし、技術や知識を共有できるようにしました。それを詰め込んだのが「巡回清掃士」*です。一般社団法人日常清掃協会**が「巡回清掃士」のオンライン講座と資格検定を行っています。
弊社には約100人のスタッフがいますが、清掃の現場では、スタッフが1人で作業にあたります。清掃のスキルを付けて現場へ向かえるよう、全員が「巡回清掃士」の資格をもっています。さらに、スタッフは33日間のOJTを含む初期研修(座学、指導員との同行研修)で実務経験を積んでもらいます。彼らの強みは、理論と実践の両方を備えていることでしょう。そして、弊社では清掃後の抜き打ちチェック(インスペクション)を行い、その結果をフィードバックすることで、スキルアップにつなげています。
こうした学びの仕組みは、同業者にも使ってもらえるよう、教育コンテンツとして提供しています。清掃業界全体の作業品質の底上げをしていきたいという思いがあるからです。


*「巡回清掃士」オンライン講座
3部構成約65分の動画の視聴と、電子版テキスト「よくわかる巡回清掃」により、アパート、マンション、ビルの共用部の巡回清掃に必要な知識と技術を網羅的に学べる講座。繰り返し視聴することで掃き方、拭き方、モップのかけ方など基本清掃をマスターできる。受講料(個人会員)3300円(税込み)。受講可能期間は決済完了後30日間。
**一般社団法人日常清掃協会
2022年設立。日常清掃に関するオンライン講座の提供、資格試験の実施・運営、研修、教材・物品販売を事業とする団体。2024年12月現在、「巡回清掃士」「トイレキーパー」の2つの資格検定を行っている。
「一緒に汗を流してくれる “人” が一番の財産」

————— 人手不足の今、雇用についてはどうですか
鈴木) 厳しいですね。清掃作業は人気の職種ではありませんし…。ですが、この仕事はすべて「人」によるものです。私たちが目指すのは、入居者や家主、管理会社の満足度ですので、技術的なことはもちろん「スタッフの心の充実」も作業品質に大きく関わります。そのために、顧客、働く仲間、家族の笑顔を大切にすることを重視し、毎期発行する「運航計画書」に明記して社員に伝えています。
スタッフの心の充実には、ワークバランスも大切です。弊社では、夜間・早朝勤務なし、完全週休2日制を実現、有給休暇100%取得を推進。清掃会社は夜間や早朝勤務が多くて不規則な生活と思われがちですが、それを回避することでスタッフの心と体を守りたいのです。資格取得も勧めていて、宅建士や賃貸不動産経営管理士に合格した社員もいます。
————— 鈴木社長のお話を聞いていたら、御社で働いてみたくなりました
鈴木) 企業としての利益以上に、一緒に汗を流して働く人が一番の財産だと私は考えます。清掃や巡回点検は地味なところもありますが、やるほどに達成感のある仕事だと伝えていきたいです。
日常清掃は、基本的に拠点から30分圏内で動く、地域密着型サービスです。直営店だけでは広げていけませんので、業務委託のパートナーシップ店や、フランチャイズのフレンドシップ店を拠点に展開しています(2025年2月から、1都3県以外に宮城県、愛知県、静岡県へ店舗展開)。この事業に賛同する仲間を増やして、日本中の建物へ清掃を通して安心感を届けていきたいですね。
たてものサービスの清掃点検について
資料をダウンロードできます
※資料には、サービスの特長、ユーザーズボイス、FAQ、専用報告システム伝次郎、
清掃点検サービス料金表(戸数、回数ごとの目安)が載っています
「1棟から月1回からでも請け負う」

————— 清掃の専門事業者は多数あります。家主や管理会社が御社を選ぶ理由は何でしょう
鈴木) そうですね、お客様は乗り換えるケースが多いです。他社のサービスや対応に不満があって、事業者を探しているようです。といっても、弊社を解約するお客様はほとんどいません。遠方で巡回できない物件の管理を任せる管理会社も多数います。
月に1回、1棟からでも請け負う、料金と清掃範囲を明確に提示しているというのもあるでしょう。なぜなら、1棟から請け負う事業者は少ないですし、料金や清掃範囲が曖昧な事業者も多いからです。2022年、SaaS型電子報告システム「伝次郎」を開発し、運用しているのも強みです。現場から写真付きで即座に作業報告を送信できるので、お客様から「早くてわかりやすくて、便利だね」と喜ばれています。


たてものサービスの清掃点検について
資料をダウンロードできます
※資料には、サービスの特長、ユーザーズボイス、FAQ、専用報告システム伝次郎、
清掃点検サービス料金表(戸数、回数ごとの目安)が載っています
社名:たてものサービス
設立:2010年(創業2007年)
代表取締役:鈴木 範之
資本金:1000万円
事業内容:クリーンサービス事業、コンテンツサービス事業、教育研修サービス事業
従業員数:98人
本社所在地:埼玉県さいたま市南区四谷1-12-30
連絡先:電話048-767-6667 info@tatemono-s.jp
コーポレートサイト:https://www.tatemono-service.co.jp/
サービスサイト:https://www.tatemono-s.jp/