【2022年版】賃貸業界で知っておきたい注目ワード10選 事故物件ガイドライン,不動産STO,SNS集客,今年いよいよ解禁となる〇〇契約もランクイン! 

2022年01月19日

トレンドニュース制作部

 長引くコロナ禍によって、賃貸業界も大きく変化した。DXやニューノーマルが普及する中で、新たなニーズや問題が発生している。賃貸トレンドニュース制作部では、今後業界で注目される10ワードを選定。2022年に知っておくべきテーマとして、関連記事と共に紹介する。


【目次】


電子契約解禁

 不動産取引業法における完全オンライン契約がついに実現する。今年5月までに重説・契約書の電子交付が解禁となり、部屋探しから入居まで、紙の書類を一度も使わずに実行可能となる。長らく紙文化が続いた不動産業界に、大きな変革が訪れる1年となるだろうか。
 すでに、駐車場契約や採用時などで電子交付を始めている管理会社では「郵送コストが削減できた」「間違いによる再送指示などの業務が減った」という声が上がっており、賃貸借契約においても、同様の期待がかかっている。

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不動産STO

 「STO」とは、Security Token Offering(セキュリティートークンオファリング)の略。ブロックチェーン技術により権利移転などを行うデジタル証券を発行し、投資家から資金調達を行う。
 その中でも不動産STOは、裏付け資産を不動産やその権利とする。1棟単位で証券化ができる新たな不動産投資の手法だ。
 2020年8月には不動産運用大手のケネディクス(東京都千代田区)が日本で初の不動産STOを実行したことで話題になった。

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事故物件ガイドライン

 国土交通省が2021年10月に制定した「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」のこと。入居希望者に対して事故物件告知が必要な適用範囲を定義づけた。
 ガイドラインのトピックスとして、入居者の病死や不慮の事故などで亡くなった場合は、告知義務はない。としている。一方、自然死でも長期間放置されており、特殊清掃などを施した場合は告知義務の範囲。と義務付けられた。

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高速インターネット

 テレワークやオンライン授業が普及するにあたり、住戸のネット速度が求められるようになった。これまではインターネット無料が物件の空室対策として人気が高かったが、ニューノーマル時代は質の高いインターネットが入居の決め手になりそうだ。

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在宅宅建士

 2021年7月、宅地建物取引業法において、宅建士の要件緩和が適応となった。これまで、専任宅建士は事務所への常勤が定められていたが、IT活用により適切が業務を行える場合、事務所以外の勤務も認められている。
 これにより、宅建士の働き方が変わる。一部の不動産会社では、既に社員のテレワーク勤務を進めている。オンラインで接客、契約が実現できれば、場所を問わずに宅建士としての業務を遂行できるようになっていく。

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ZEH賃貸

 不動産業界のSDGsやESG投資として注目を集めているのがZEH賃貸だ。省エネと創エネにより、生活エネルギーを正味ゼロにするZEH住宅を、賃貸物件でも実現していくZEH賃貸。サスティナブルな取り組みとして開発に注力する不動産事業者が増えている。
 2021年12月にはアーバネットコーポレーションが、投資用ワンルームマンションとして業界初のZEH賃貸の開発を発表した。環境・社会・ガバナンス要素を取り入れた投資を示すESG投資として受け入れられるか。今後の動向に関心が向けられている。 

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SNS集客

 InstagramやTikTokなどのSNSを使った集客も広がりそうだ。「ルームツアー」「モテ部屋」といったワードで関心を集め、PV数やアカウント認知度向上を図っていく。ソーシャルメディア経由で買い物をするソーシャルコマースの流れが、賃貸業界にも波及している。
 既に多数のフォロワーを抱えていて、一定の成果を上げているのが、goodroom、ヴィダックス、LAKIA不動産など。いずれも作りこまれた投稿内容で、見てみたい!と思わせるような工夫が見られる。

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高級ホテル賃貸参入

 観光需要の消失に苦しむホテルなどの宿泊施設が、サービスアパートメント事業に続々と参入している。家具家電付きの高級仕様として、長期滞在者の獲得を狙う。昨年2月には、宿泊大手の帝国ホテル東京が5泊、30泊のサービスアパートメントを開始するなど、話題となった。
 こうした動きは賃貸業界にも影響を与えている。日本有数の観光都市の京都市内では、ホテルやゲストハウスが賃貸事業に参入。必然的に物件のグレードは引き上げられ、賃貸仲介事業者からは「築古アパートに入居が付かない」という声が上がっている。

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テレワーク賃貸

 在宅ワークが一般化する中で、テレワーク対応型の賃貸物件も登場。簡易リフォームで既築物件を防音部屋にする商材や、入居者全員が使えるワークスペースを共用部に取り付けた新築マンションの供給が目を引いた。
 テレワーク環境として求められるのは、・十分なワークスペース・ネット回線・備え付き収納などが上げられる。いずれも、これまで提供されていた一般的な賃貸物件よりも機能性が高い。空室対策として「この物件で仕事ができるか」という視点で物件を点検してみるのも、手段の一つだろう。

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給湯器の供給不足

 世界的な半導体不足のあおりを受け、住宅設備に欠かせない給湯器の供給が遅れている。これにより、一部メーカーの部品を使った給湯器の修理が出来ない事態が続いている。最低でも今年の3月、あるいは夏ごろまで響くかもしれない。との見方もある。

 管理会社にとって、看過できない問題だ。入居者から故障の問い合わせが入った際には、近隣の銭湯を案内するなどの一時的な対応を取っている。退去に繋がる要因でもあるため、事態に頭を悩ませている。

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