施工不備事故を未然に防ぐために オーナーがするべき2つの対策
2021年08月04日
山本悠輔(全国賃貸住宅新聞社)東京都八王子市で起きたアパート階段崩落事故。施工会社の不備が大きな問題となった。再発防止のために、物件所有者ができることはあるだろうか。インスペクションを行うさくら事務所(東京都渋谷区)に話を聞いた。
「賃貸物件の場合、施工不備が見つかる確率が実需用の住宅に比べて2~3割ほど高い」とさくら事務所の田村啓ホームインスペクターは話す。今回の事故を受けて、施工会社の則武地所の物件を調査したところ、建築基準をクリアしていないアパートが散見された。死亡事故という最悪の形で表面化したが、ケースとしては氷山の一角に過ぎないという。
まずは所有物件の見回りが必須遠方の場合は管理会社へ依頼
既に入居中の物件で施工不備の可能性がある場合、オーナーがやるべきことは主に2点。
1つ目は建物の点検を行うこと。オーナー自身が、物件を見て回り、明らかな問題がないかを確認する。場合によっては管理会社や第三者に点検を依頼しても良いだろう。
2つ目は、賃貸物件の契約書と図面の確認。施工不備が見つかった場合、オーナーは販売した会社や施工会社に対して「契約不適合責任」を根拠に改修するように要求ができる。契約不適合責任とは、「目的物が種類、品種または数量に関して契約の内容に適合しないものであるとき」に発生する責任を指す。
ただ、則武地所のアパートの場合は、同社が既に自己破産しているため、建築依頼したケースや同社から購入したケースだと、改修請求は見込めない。他の不動産会社が売主であれば、施工不備部分の改修などを求めることはできる可能性がある。
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