AIが通話内容を「見える化」、電話営業の課題を明確にするIP電話

2023年02月15日

　　RevComm（東京都渋谷区）が提供する「MiiTel（ミーテル）」は、電話営業の成果を伸ばすIP電話サービスです。自動録音された通話内容をAIが音声解析して、自動文字起こしを行い、話す速度、ラリー回数、被せ率などの話し方を見える化します。顧客と担当者が「何を」「どのように」話しているかが可視化されるので、ブラックボックスになりやすい電話営業の課題が解消されます。電話対応の重要度が高い営業部や、カスタマーサポートチーム、インサイドセールスチームに活用されており、分散受電体制の構築の際にも利用できます。

MiiTel ／ RevComm（レブコム）

会話比率、沈黙回数、抑揚などから分析

自動録音した通話内容を、MiiTel独自の音声解析AIが分析します。双方の会話比率、沈黙回数、被り回数、抑揚、話速などの項目から、担当者の通話品質を数値化します。成約した理由や通話の課題を、数値化された情報から定量的に判断することができます。

通話内容の文字起こしや、要約も行うことができます。会話中に出た特定のキーワードが発せられた回数を可視化できるため、キラーワードやNGワードについても録音を聞き直すことなく確認できます。

担当者は、数値化された自分の通話内容を確認することにより、セルフコーチングを行うことができます。パフォーマンスが高いスタッフの通話記録を新人研修に活用し、早期戦力化につなげることも可能です。

応対情報を顧客管理システムと自動連携

Salesforce（セールスフォース）などの顧客管理システムと連携させることもできます。顧客の対応状況を一元的に把握できるので、マネジメント工数を大幅に削減します。また、顧客管理システムの画面から、顧客名をクリックするだけでIP電話で発信できます。

顧客管理システムと紐づけられる情報は、通話日時、社内担当者、顧客側の担当者、会話のスコアリングなどです。担当者は、応対内容をツールに入力する手間が省かれるため、商談に集中できます。架電の数を増やすこともできるので、アポイント取得数の増加にもつながります。

【導入企業の声】
通話内容の脱属人化により、アポイント率 31％アップ

野村不動産ソリューションズ　インサイドセールス課

―――導入したインサイドセールス課はどんな仕事をしているのですか？

社内に置かれたコンタクトセンターで、不動産一括査定サイトを経由してくる問い合わせへの対応をしています。2020年の10月に導入しました。目的は架電の効率化、トークのブラッシュアップです。導入を決めたのは、社内のデジタルツールの選定・導入を担当する経営企画部でした。

―――どんな課題があったのですか？

店舗の休業日に届いた問い合わせに、即日対応ができていませんでした。競合他社に出遅れないよう、コンタクトセンターを立ち上げました。始めに、トークマニュアルを自社の営業経験者で作成し、架電対応を外部委託したのですが、アポイント率を向上することができませんでした。その後、社員が架電対応するよう変更しましたが、時間がかかる割に反響につながりにくく、結果的に良い結果につながっていませんでした。

―――導入前、応対内容の引き継ぎをどのように対応していたのですか？

お客様との通話中に手書きのメモを取り、その内容をメールに記載して、1件ずつ店舗に送客していました。しかし記憶に頼るメモには限界があります。時々内容に齟齬（そご）が起こり、店舗からクレームも発生していました。

―――導入の決め手となったのは？

文字起こしの精度の高さです。また、他業界での導入事例の多さも安心感につながりました。導入しやすい価格も魅力でした。

―――導入して、どのように変わりましたか？

内容が自動録音される事により、5件、10件架電したあとも、記憶を頼りに内容を思い返す必要がなくなりました。正しく情報を共有できるようになり、お客様に関する情報も増えました。

具体的には、スコアリング機能（被り、沈黙、ラリー回数など）から導き出される数値を活用しています。アポイント率の高いメンバーのスコアを分析し、より効率的な伝え方をするにはどうしたらいいかをメンバーで共有しています。営業経験が浅いスタッフでも、即戦力になる体制を築くことができました。

―――どんな成果が出ましたか？

外部委託時と比べると通話率は13％アップ、アポイント率は31％アップしました。内製化した時と比べても、アポイント率は12％伸びています。送客スピード、送客数がアップしました。人的リソースさえ整えれば、さらに通話率・アポイント率を上げられると感じています。

RevCommとは？

　創業者の會田武史代表取締役は、三菱商事勤務を経て、2017年にRevCommを設立しました。「今後3〜5年で大きな波になる要素技術」×「日頃自分がPain（苦痛）に感じていること＝高いコミュニケーションコスト」を軸に、ビジネス領域の自然会話をAIで解析する「MiiTel」を2018年にリリース。AI×コミュニケーションの力で、日本の労働生産性の向上を目指します。