庭山常務に聞く、「いえらぶCLOUD」で不動産会社の管理・仲介業務は、本当に楽になる?

2024年01月24日

 いえらぶGROUP(東京都新宿区)が提供する「いえらぶCLOUD」は、賃貸管理・仲介業務の、自動化や効率化をサポートする不動産会社の業務支援サービスです。常務取締役・共同創業者の庭山健一さんは「不動産会社様が抱える大半の業務を効率化できる」と話します。しかし、導入する不動産会社が、広範なサービス領域の全体像を理解するのは、簡単ではありません。「いえらぶCLOUD」でできることや、目指す世界観を庭山さんに聞きました。


Q1 「いえらぶCLOUD」開発の経緯は?

約10年前 当時のオフィスの様子

―――「いえらぶCLOUD」は、どのような経緯で開発されたのでしょうか。

庭山:「いえらぶCLOUD」のサービスを開始したのは2009年ですが、創業のきっかけは、前職のデベロッパー時代にあります。インターネットが急速に普及した2000年代初頭、私は当社代表の岩名とともに、新築マンションを手掛けるデベロッパーのIT事業部に所属していました。IT事業部は新設されたばかりで、私たちが最初に行った仕事は、それまで紙で管理していた情報をExcelでの管理に変えることでした。今では考えられませんが、それだけで「IT化だ!」と盛り上がっていたんです(笑)。

情報のデータ化を成功させた経験からITの可能性を強く感じるようになり、2008年に岩名とともに独立し、いえらぶGROUPを創業しました。最初は、不動産会社様向けの集客サイトを制作していましたが、業務を効率化するにも売上を上げるにも、データベースが必要不可欠だと思うようになりました。

しかし、少人数で経営している不動産会社様にとって、データベースの構築は資金の負担が大きい点が課題でした。そこで、低コストで業務支援に特化したSaaS(Software as a Service)を提供すれば、不動産会社様の負担を軽減できると考え、業務支援SaaS「いえらぶCLOUD」を開発することにしたのです。

ーーー「いえらぶCLOUD」が、不動産業務を網羅するシステムを目指したのは、いつからですか。そのきっかけは?

庭山:創業時からです。不動産会社様は、家を借りる、購入するといった、人生で数回しかない大きな買い物・重要な買い物をサポートするのが仕事です。そのため、お客様に対して非常に強い思いをお持ちです。しかし、扱う情報量が多いため、日々膨大な事務作業に追われ、きめ細やかなサポートができないことがあります。その結果、コミュニケーション不足でお客様に不信感を抱かれてしまうという悪循環を、間近で何度も見てきました。それが「不動産業界を変えたい」と強く思うようになったきっかけです。「不動産会社様の役に立ちたい、業界を良くしたい」というのが、私たちのコアとなる想いですから、業務を網羅的にカバーできるシステムを提供するのは自然なことでした。また、業界に関する知見が深まるにしたがって、膨大な情報を扱う賃貸管理会社様にこそクラウドシステムが必要だと感じるようになり、2015年に賃貸管理システムをリリースしました。

ーーー「いえらぶCLOUD」が今できることを、簡単に教えてください

庭山:「いえらぶCLOUD」は不動産会社様の業務を網羅的に支援するオンラインサービスです。管理業務の支援としては、管理物件のデータベースを基軸に、募集から契約に至る業務、入居後の家賃・入居者対応・家主への報告といった業務を、クラウド上で一元管理できます。仲介業務の支援としては、ポータルサイトに掲載する場合の情報連動、LINEやチャットなどの自動追客といった機能で、同じ情報の二重入力など非効率な作業を自動化して取りまとめます。

ーーーサービス開始から15年で1万5000社以上の会社に導入されていますね。

庭山:はい。ありがたいことに規模や業種を問わず、さまざまな会社様にご利用いただいています。システムは、今でもお客様のお声をもとに、毎週アップデートを重ねており、こうした高頻度で行われるシステムアップデートや、幅広い業務を一気通貫でオンライン化できる使いやすさが支持されています。


Q2 強化された「賃貸管理会社向け機能」
ってどんなもの?

ーーーより具体的なところをお聞きします。まず、賃貸管理業務の支援としてできることを教えてください

庭山:管理業務は、入居募集中から入居中の業務までトータルに支援しています。大きく分けると、①物件入力②契約・更新・解約③入出金・家賃・送金④修繕・点検・クレームの4つの管理に分けられます。

1 物件管理・募集

物件データを中心に情報の一元管理ができます。賃貸住宅(アパート・マンション・戸建て)はもちろん、事業用テナント・事務所まで、物件種別問わず管理可能です。また管理会社が登録した管理物件情報は、無料で業者間流通サイト「いえらぶBB」に掲載できます。情報の更新もリアルタイムで反映され、仲介会社への情報共有も手間がかかりません。

2 リーシング(物件確認・内見予約・入居申込み・契約締結)

物確から契約まで、リーシング業務も一貫してWeb完結できます。「ぶっかく自動応答」を使うと物件確認の電話対応を自動音声が行ってくれるため、会社にかかってくる電話の数を圧倒的に減らすことができます。内見予約は24時間365日自動で受付け可能。業務時間外でも予約できるため、自社物件の内見予約を取り逃しません。さらに申込受付・進捗確認もWeb上で行うことができます。チャットで連絡を取れるため、些細な連絡もスムーズです。

3 契約管理

契約情報を物件・関係者・お金といったさまざまな情報と紐づけて管理できます。契約更新予定者や解約対応中の案件は自動でリストアップされ、対応漏れを防止。対応フローも会社ごとに自由に作成でき、進捗管理がクラウド上で完結できます。リーシング機能との連携により、解約後に募集開始するまでの手続きもスムーズに進められます。

4 入出金管理

家賃や初期・更新費用、変動費など、さまざまな入出金を管理できます。振込、クレジットカード、現金など入金方法も幅広く対応しており、入金データを引用して領収書の作成も可能です。またファームバンキング機能も搭載。金融機関データを一括で取り込むことで、入金消込や口座振替依頼、振込依頼の作業が大幅に軽減されます。
さらに、自社の管理形態に合わせた送金業務もサポート。入金結果・送金予定金額のデータを引用して収支報告書も簡単に作成できます。

5 原状回復工事・対応管理

原状回復工事や修繕工事、点検の対応履歴を履歴に残して管理することができます。オーナー・入居者とのやり取りや、工事・点検時の写真なども保存できるので、引継ぎや社内共有がしやすくなります。送金予定金額のデータを引用して収支報告書も簡単に作成できます。

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【導入企業の声】

ヘヤミセ @長崎県長崎市
2020年8月に6店舗で「いえらぶCLOUD」を導入したヘヤミセ(長崎市)。 今回は管理課の原田様に話を聞きました。

業務を一元化できるシステムを探していた

ーーーどういった課題感で、「いえらぶCLOUD」を導入いただいたのでしょうか。

「いえらぶCLOUD」を導入する前は、業務ごとに複数のシステムを利用していました。しかし「複数システムに跨ると無駄が多い」と社内の声が大きくなったことがきっかけです。

エンドユーザーからの問い合わせや来店対応の件数が年々増えるなかで、 スタッフの業務が煩雑化していくのが、目に見えて分かりました。 全ての業務を一元化できるシステムを探すなかで、「いえらぶCLOUD」の導入を決めました。

ーーー複数店舗での運用で良かった点を教えてください。

一番良かった点は、顧客への追客意識が高まったことだと思います。以前利用していたシステムでは、反響が来た後の一次対応のみで追客漏れが生じていました。

「いえらぶCLOUD」を利用して、顧客管理の機能も豊富であることから社内スタッフの追客に対する意識が変わったと感じています。 メールの返信率などは大幅に変わっている訳ではありませんが、自社の認知を取るためにメール追客は重要だと思います。

Web申込み、電子契約、管理業務のすべてを電子化

ーーー賃貸管理システムの使い勝手はいかがでしょうか。

賃貸管理は、顧客管理と別のシステムを利用していました。 現状はまだ上手に運用できておらず、しっかり回せるようにしたいです。コンサルタントの方々に相談していきます。
特に契約周りの業務は運用方法をしっかりと固めて、繁忙期を迎えたいです。 

またWeb申込みや電子契約も導入し、リーシング業務の改善も進めてきました。リーシング業務の体制構築は完了したので、ここからは新規のオーナー様を獲得する動きに注力したいです。

ーーーオーナーに対するサポートの充実をアピールしていると思います。具体的な施策を教えていただけますか。

空室率を下げるため、広告の質を上げることを意識しています。 ポータルサイトのオプションも積極的に活用しています。
オーナー様の満足度を向上させるには、当たり前のことを当たり前にやることが大切だと思っています。


Q3 「仲介業務機能」はどんなもの?

ーーー次に仲介業務の支援としてできることを教えてください。

庭山:仲介業務は、物件の入力から成約につながる反響獲得までサポートしています。大きく分けると①物件入力②広告作成③コンバーター④反響・顧客管理⑤ホームページ作成の5つです。お客様のニーズに応えるさまざまな機能を備えています。


記者のここが知りたい!

ーーー既にシステム運用している不動産会社も多く、正直オールインワンだとハードルが高い場合もあると思うんです。例えば部分的にいえらぶCLOUDを導入するとなっても、効果は見込めるのでしょうか?

庭山:もちろん可能です。一部の機能のみ導入される不動産会社様も多くいらっしゃいます。他社サービスとの連携実績も多数ありますので、部分導入のサポートも安心してお任せください。ただし、導入システムが多くなればなるほど、自動や手動問わずにデータ連携が煩雑になり、運用負荷が増えるのも事実です。そのため、部分導入でお試しをいただいてから、改めていえらぶCLOUDで一元管理できないかとご相談いただくことも多いです。

ーーーいえらぶCLOUDのオールインワンという強みを活かして、すべての不動産会社に導入してもらうことを見据えているのでしょうか?

庭山:必ずしもそうではありません。弊社の想いとしては、不動産会社様が抱える膨大な定型業務を効率化して、本来の役目であるお部屋探しのお手伝いに集中できる環境をつくっていきたいのです。システムはその環境づくりの手段にすぎません。自社の業務フローや慣習に応じて最適なシステムを選んでいただきたいと思っています。現在は、自社開発のシステムやインストール型などを利用されていた会社様からの問い合わせが増えています。高頻度で行われる法令・業法改正についていくために、アップデートのスピードが早いクラウド型に早めに移行しておきたい、というニーズがあるようです。


Q4 いえらぶGROUPってどんな会社ですか?

ーーー最後に、いえらぶGROUPについて、教えてください。

庭山:先にお話しましたようにいえらぶGROUPは、マンションデベロッパーの勤務経験を活かして、2008年に代表・岩名と共同設立しました。「不動産会社様にとってのIT事業部として、不動産業界に関わる全ての人を笑顔にしたい」という信念のもと、変化と成長の日々をおくっています。

誰もが安心して利用できる公正な不動産プラットフォームをつくるためには、客観的な目線で、あらゆる人に有益な情報とサービスを届けていく必要があります。そのため、設立当初より一貫して、不動産取引業をおこなっていません。

  • ITを使って不動産会社様の業務を効率化する
  • 誰もが快適に住まいを探せる環境をつくる

2つの使命のもと、これからもいえらぶGROUPは、住業界にイノベーションを起こし、誰もが安心できる住まい選び「いい家、選ぶ」を実現できる明日をつくってまいります。

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【商品・サービス情報】
・いえらぶBB
「いえらぶBB」は賃貸管理会社と賃貸仲介会社をつなぐ無料の業者間流通システムです。賃貸仲介会社・賃貸管理会社それぞれの基幹システムとの連携により、物件流通から内見予約・申込み、保証審査から契約までを一気通貫でオンライン化できます。システム連携により、ワンクリックでの物件取込み・サイト掲載、リアルタイムでの物件確認が可能で業務効率化に貢献します。

【グループ企業の紹介】
株式会社いえらぶマーケティング
株式会社いえらぶ琉球
株式会社いえらぶコミュニケーションズ
株式会社いえらぶパートナーズ
株式会社ピーシーコネクト
株式会社いえらぶパーク
株式会社らくなげ
株式会社いえらぶクリエイターズ

【商品概要】
名称:「いえらぶCLOUD」
主な商品機能として、物件情報、業者間流通、賃貸管理、広告出稿、反響管理、業務分析などがある

【会社概要】
企業名:株式会社いえらぶGROUP
代表者:代表取締役 岩名 泰介
本社所在地:東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル24階
設立:2008年1月
資本金:38,250,000円
従業員数:682名(2023年12月現在グループ全体)
事業内容:SaaS事業、システム開発事業、コンサルティング事業、メディア事業、ホームページ制作事業、採用支援事業、WEB広告事業、アライアンス事業、賃貸保証事業、駐車場DX事業、SNSマーケティング事業、賃貸管理BPO事業
ホームページ:https://www.ielove-group.jp/
TEL 050-1750-8270
メール ad@ielove-group.jp
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