生成AI活用で育つ現場、変わる賃貸管理 ― いえらぶが挑む“実装型AI”のいま ―
2025年08月29日

生成AIの急速な進化が不動産業界にも大きな影響を与える中、人手不足に悩む賃貸管理の現場では、AI活用を推進できる人材の育成が急務となっています。
こうした中、不動産業界に特化したDX支援サービスを展開する株式会社いえらぶGROUP(東京都新宿区)は、「生成AIと人材育成」をテーマとしたセミナーを7月16日に開催。業界団体やテクノロジーの専門家を迎え、AIと人材の共存がもたらす可能性について議論が交わされました。
本記事では、そのダイジェストと、登壇者のひとりである同社執行役員・和田健太郎氏へのインタビューから、いえらぶが取り組むAI活用の”いま”に迫ります。
【セミナーレポート】
「人とAIの協働」で賃貸管理はどう変わる?
生成AI時代の人材育成と業務活用とは
セミナーには、不動産会社や管理会社のDX・人事担当者を中心に35名が参加。事前アンケートでは、参加者の約6割が生成AIを業務で活用した経験があるものの、実務への落とし込み方法を模索している現状が浮き彫りになりました。
◼︎基調講演: 生成AI活用は“待ったなし


日本ディープラーニング協会(JDLA)の岡田隆太朗専務理事が登壇し、生成AIの最新トレンドと今後の展望について講演しました。同協会は、AIリテラシーを可視化する「G検定」や「E資格」を通じた人材育成に注力しており、G検定の累計合格者は10万人を超えています。

岡田氏は、生成AIが急速に進化していることを強調し、洗濯や折りたたみを行うロボットの事例を紹介。「これまでホワイトカラーの業務が中心と思われていたAI活用が、フィジカルな分野でも成果が出始めている」と解説しました。

また、国の動向として「規制より活用」に舵を切っており、人口減少社会でのAI・ロボット活用の重要性について言及。東大理IIIの入試問題を解ける生成AIなどの事例を挙げ、「AIのできること、できないこと、使うべきか否かを判断できるリテラシーが必要。生成AIの活用に待ったなしのところまできており、G検定にチャレンジするなどしてAIを正しく理解し、触れることから始めてほしい」と参加者に呼びかけました。
◼︎パネルディスカッション: 現場の課題と解決策
登壇者:岡田隆太朗氏(ファシリテーター:日本ディープラーニング協会専務理事)、三戸部正治氏(日本賃貸住宅管理協会 常務理事)、和田健太郎氏(いえらぶGROUP 執行役員)

生成AIの課題と展望、人材育成、継続的な活用と改善の3つのテーマで議論が行われました。
三戸部氏は、業界の現状について「若手社員は積極的にAIを活用しようとするが、経営層には温度差がある」と指摘。また、「現場にはまだ”AIは難しそう”という先入観があるが、実際に使ってみることで『意外と使える』という気づきが生まれる。人材育成の観点でも、最初に触れさせることが重要」と語りました。
和田氏は、現場導入に向けた課題として「AIを使いこなせる人材を育てるだけでなく、そもそも”使ってもいい”環境を整えることが必要」と述べました。いえらぶでは「朝から晩までAIを使え」と社内に推奨しており、「社員にAIを触れさせてアウトプットを一緒に評価し、フィードバックを重ねていく。こうした”使わせて、気づかせて、育てる”実践が、組織のAIリテラシーを底上げしている」と実例を紹介しました。
三戸部氏は、継続的な活用・改善について「AIを導入する前に業務の棚卸しを実施し、導入後にどのような成果が得られるかを測定することが肝要」と提言しました。
◼︎質疑応答セッション
参加者から実践的な質問が寄せられ、登壇者3氏が実践的な視点で回答しました。その一部を紹介します。
Q:チームや社員の意識をどう変える?
和田氏は「まずは“便利”を体験してもらうことが重要。SNSや動画で成功事例を共有し、使うことへの抵抗感を下げる」とアドバイス。
Q:契約書の確認にAIを使う顧客が増えている
三戸部氏は「過去の事例を参考にし、顧客にとって不利な条項がないかを事前にチェックすべき」と述べました。
Q:今後求められるスキルは?
岡田氏は、あらゆるタスクを人間と同等かそれ以上にこなすことができる「汎用人工知能(AGI)の実現も視野に入る今、“使う側のリテラシー”が必須。G検定はその第一歩になる」と語りました。

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記者のここが知りたい!
和田健太郎執行役員に聞く!いえらぶの“生成AI活用”の今

近年、いえらぶでは、ブログの自動生成など、専門知識とAIをかけ合わせたプロダクトを開発。また、AIコーディングエージェントの導入や、社内開発ツールのAI統合も積極的に推進しています。いえらぶのAI活用について、プロダクト開発を統括する和田健太郎執行役員に伺いました。
――いえらぶGROUPが現在注力しているAI活用の領域について教えてください。
和田 「いえらぶCLOUD」の「AIコンテンツ生成」機能や「AI間取り」など、Webに掲載するためのコンテンツ生成周辺に力を入れています。ブログ記事や間取り作成は、不動産業務の中でも時間と手間がかかる業務ですが、AIを活用することで大幅に短縮できます。どちらもすぐに使えて効果を実感しやすい領域です。
――これらのAIサービスは、現場でどのように力を発揮しますか。
和田 AIは「まず70点の成果物を出す補助輪」として、業務のスタートラインを底上げします。たとえばメールや書類の誤記チェックなど、従来は上司が目で見ていた作業をAIが担うことで、確認工数を減らすことができます。これにより、上司は本質的な教育や高度な判断業務に集中できるようになり、現場全体の生産性向上が期待できます。
――賃貸管理業務は契約管理・問い合わせ対応・物件情報の更新など幅広く煩雑ですが、どのような部分をAIで効率化できますか?
和田 まず入居者からの定型的な質問への対応を自動化できます。多くの管理会社はすでに自社サイトに「よくある質問(FAQ)」を掲載しており、これをAIに学習させれば、24時間いつでも即時回答が可能に。結果として、担当者の対応時間を大幅に削減し、問い合わせ対応の質も安定します。
さらに、契約書や申込書など、画像やPDFのデータから必要な情報を自動抽出し、システムへの登録を補助します。従来は人手で一から入力し直していた作業が、AIの高精度な読み取りで入力工数を大幅カットでき、人的ミスの削減にもつながります。これにより、事務作業の負担が減り、スタッフはより付加価値の高い業務に集中できます。
――いえらぶならではの強みはどこにありますか。
和田 専任のAIチームを置き、常に最新の技術をキャッチアップしながら”全業務でAIを使う”という社内実践主義を徹底している点です。実際、私たちはAIを使わない業務はないと考えています。社内で徹底的に試し、本当に役立つ形に磨き上げてから市場に出す。そこがいえらぶのこだわりです。
――今後の展望についてもお聞かせください。
和田 プロダクト開発においては「SaaSの機能拡張・全機能のレベルアップ」というスタンスは変わりません。社内業務においては、書類読解やプログラミング支援、課題解決の壁打ちなど、主に効率化を目的にAIを活用していく予定です。派手さよりも実装力を重視し、現場の課題を一つずつ確実に解決するAIサービスを増やしていきたいと考えています。
いえらぶの生成AI関連プロダクト
導入初日から効果を実感できる、いえらぶの生成AIサービス
いえらぶCLOUD 「AIコンテンツ生成機能」

「AIコンテンツ生成」は、不動産会社が日々発信しているブログ記事やエリア情報などのコンテンツを、最短2分で自動作成できます。累計10万記事以上の執筆ノウハウを学習しており、SEOに強い文章構成を自動で組み立てるだけでなく、3枚の画像や表まで自動挿入。作成から装飾、投稿までを一括で完了します。さらに、GPT-4.1&ブラウジング対応で精度は98%。WEO強化やWeb集客の武器として、累計利用回数2万回超の利用実績があります。
「これにより担当者は、単に「記事を書く」のではなく、「記事をどう読者に届けるか」という本質的な戦略に時間を割けるようになります」(和田氏)
いえらぶAI間取り

「AI間取り」は、既存の間取り画像からAIが読み取り、最短1分で編集可能な間取りを自動生成します。従来30分以上かかっていた作業が一気に短縮でき、作成者による品質のばらつきも解消。スタイルやフォント設定も自由にできるため、自社ブランドイメージを統一しながら効率化を実現します。
いずれのサービスも、AIツール特有の難解さを感じさせないシンプルな操作性が特徴で、説明書を読み込まなくても直感的に使えるため、PC操作に不慣れなスタッフでもすぐに業務に取り入れられます。さらに、専任チームによる継続的なアップデートで、最新のAI技術を常に取り入れられています。
「AIをどう業務に組み込めばいいのか分からないという企業様でも、シンプルな操作性と導入しやすい機能設計により、社内への浸透がスムーズに進みます。賃貸管理業務でのAIの活用をご検討されている方はぜひ、いえらぶGROUPにご相談ください」(和田氏)
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(これまでに提供してきた主なサービスの紹介)
・いえらぶCLOUD
主な商品機能として、物件情報、業者間流通、賃貸管理、広告出稿、反響管理、業務分析などがある。
いえらぶCLOUDに関する記事はこちら
・いえらぶBB
「いえらぶBB」は賃貸管理会社と賃貸仲介会社をつなぐ無料の業者間流通システムです。賃貸仲介会社・賃貸管理会社それぞれの基幹システムとの連携により、物件流通から内見予約・申込み、保証審査から契約までを一気通貫でオンライン化できます。システム連携により、ワンクリックでの物件取込み・サイト掲載、リアルタイムでの物件確認が可能で業務効率化に貢献します。
・らくなげ
不動産業界に特化したBPOサービスで、不動産会社は募集・解約・入力といった様々な業務プロセスを一括して委託することができる。
らくなげに関する記事はこちら
・いえらぶParking
駐車場運営に関するあらゆる業務課題を解決するDX(REAL✕TECH)を用いたサービス・システムを提供
いえらぶParkingに関する記事はこちら
・いえらぶクリエイターズ
企画構成から撮影、編集、納品をワンストップで行うSNSマーケティングサービス。 不動産業界の新たな集客・採用戦略の軸を構築。
いえらぶクリエイターズに関する記事はこちら
株式会社いえらぶマーケティング
株式会社いえらぶ琉球
株式会社いえらぶコミュニケーションズ
株式会社いえらぶパートナーズ
株式会社ピーシーコネクト
株式会社いえらぶパーク
株式会社らくなげ
株式会社いえらぶクリエイターズ
名称:「いえらぶCLOUD」
主な商品機能として、物件情報、業者間流通、賃貸管理、広告出稿、反響管理、業務分析、AIコンテンツ生成機能などがある。
名称:「いえらぶAI間取り」
いえらぶGROUPの子会社である株式会社ピーシーコネクト(大阪市)が開発・販売。作成する間取りの画像を取り込むことでAIが自動で間取りを認識し、自動で作成。
企業名:株式会社いえらぶGROUP
代表者:代表取締役 岩名 泰介
本社所在地:東京都新宿区西新宿2-6-1 新宿住友ビル50階
設立:2008年1月
資本金:3,825万円
事業内容:SaaS事業、システム開発事業、コンサルティング事業、メディア事業、ホームページ制作事業、採用支援事業、WEB広告事業、アライアンス事業、賃貸保証事業、駐車場DX事業、SNSマーケティング事業、賃貸管理BPO事業
ホームページ:https://www.ielove-group.jp/
TEL:03-6689-1791
メール:pr@ielove-group.jp
問い合わせフォーム: https://ielove-cloud.jp/contact/
企業名:株式会社ピーシーコネクト
代表者:代表取締役 武本光明
本社所在地:大阪府大阪市福島区福島5-6-16 阪神杉村ビル 4F
設立:2000年3月
資本金:5,000万円
事業内容:ソフトウェアの開発・販売・サポート、著作権許諾付き地図サービスの開発・運営(F-map)、不動産業務システム開発、人材育成等研修事業
ホームページ:https://www.madori.jp/
TEL:06-4256-5434
メール:inq@pc-connect.co.jp