ポータル集客どうやってる? 仲介会社の戦略聞いてみた!

2021年10月07日

山本悠輔(全国賃貸住宅新聞)
画像に alt 属性が指定されていません。ファイル名: 4af3db17c7acb8020a2888de12f537cf.jpg

 「SUUMO」「アットホーム」「ホームズ」に代表されるポータルサイト。集客ツールの主流として多くの不動産会社が活用している。賃貸仲介を行う2社に、ポータルサイト活用の実態を聞いた。


成約数が昨対比60%増と好調

 年間賃貸仲介件数約3000件のエム・ジェイホーム(滋賀県長浜市)では、2021年1月の成約数が320件と、昨対比60%増で着地し好調だった。部屋探しユーザーのポータルサイト利用が増え、ネット反響が増加し成約件数の増加につながった。

 葛川睦社長は「ポータルサイトであらかじめ住みたい部屋の目星をつけた上で問い合わせ、来店する顧客が21年度は特に増えた。ネット反響は昨対比1・4倍となった」と話す。同社の反響のうち、「スーモ」が9割を占めており、集客において欠かせない存在だ。その他、「アットホーム」、「ホームズ」、「CHINTAI(チンタイ)」の四つのポータルサイトで1割となっている。ポータルサイトへの出稿件数は約6000件。

 21年に入ってからポータル集客に効果が出ている理由を「コロナ下で非対面を好む傾向が顕著に表れたのでは」(葛川社長)とみる。また、反響からの来店・内見率は6割で昨対比と横ばいだが、来店・内見からの成約率は80%と以前より1割程度高まった。コロナ下においては、顧客側が自ら希望条件などを固めて来店に至るため、営業による物件案内の時間が短縮された。20年よりも来店から成約までの接客時間が2~3時間から1時間程度に短くなった。

 集客における課題はポータルサイトへの出稿費用と労力コストがかかることだ。同社では賃貸仲介に係る経費のうち、出稿費用が人件費に次いで2番目の出費となり、20~25%を占める。ポータルサイト依存脱却のため、17年には自社サイトを立ち上げたが、反響は少なく、現在もポータルサイトに頼っている状況だ。

掲載物件数年間9万件

 年間賃貸仲介件数3000件のリライフ(東京都千代田区)の反響獲得方法はポータルサイトが7割、自社サイト2割、法人提携が1割だ。ポータルサイトは、ユーザーの認知度が高いため、14年の創業期から「SUUMO(スーモ)」と「HOME’S(ホームズ)」の2社を利用している。掲載物件数は年間約9万件で、ポータルサイトの反響獲得率は15%だ。自社サイトの反響獲得率は3%となっている。

 反響来店率は33%。自社開発の業務管理システムを採用し、利用するポータルサイトや店舗、個人単位で反響数や来店率などの営業結果をリアルタイムで把握して分析することで業務改善につなげている。また、店舗周辺の物件を集中的に掲載し、来店率の向上につなげている。

 鈴木卓人社長は「9月になって都心部の賃貸需要は回復している。今後も年間3~5店のペースで出店し、22年は賃貸仲介件数5000件以上を目指す」と語る。


全賃記者が聞く!ライブインタビュー開催決定

11/25(木)15:30〜

賃貸トレンドニュースで「SUUMO」「アットホーム」「ホームズ」のポータルサイトに携わる3名をゲストにお招きし、入居者の部屋探し最新トレンドを伺います!