VR内で内見者の関心度を分析 閲覧履歴から注目箇所の把握も
2021年10月12日
VRコンテンツ制作の全景(石川県金沢市)は、VRとAIを組み合わせた「デジタルツイン不動産」を提供しています。物件に対する内見者の関心度や注目箇所など、実際に営業スタッフが同行しないとわからない情報を、VRの操作から数値化し分析するシステムを実装しています。
内見業務を大幅改善する、有能な営業アシスタント
全景 / デジタルツイン不動産
「デジタルツイン不動産」は2021年4月より発売。システム上で、内見者がどの部屋を何秒閲覧したのかがわかるほか、「収納には注目しなかった」などの情報も取得できます。画面操作の動きから、内見者が重視している箇所をAIが分析し、推薦物件を自動で送信する機能もあります。閲覧後に問い合わせが入る段階でこれらの情報を把握できるため、内見者の趣向や物件への関心度がわかる仕組みです。仲介会社は「デジタルツイン不動産」を営業のアシスタントとして使用することで、成約までの要望のヒアリングや内覧業務などを大幅に改善することが可能。一方、内見者はVRで部屋を360度細かく見ることができます。エアコンなどの設備情報も自動で案内され、室内の採寸やバーチャル家具の設置も可能です。
同社がこのシステムを開発した背景は、VRが室内写真を「見るだけのサービス」になっている点に疑問を感じたからとのこと。そこで、VR操作を、実際に内見しているときの身体的な動きとしてデータに置き換えてAIに学習させました。その結果、VR内での内見者の動きから、対面でしかわからないような「物件に対する心の揺らぎ」まで分析することが可能となりました。利用料は、企業の要望によって見積もりが必要ですが、「ベーシック」プランは月額3万円から。より多くの不動産会社に提供することでAIに物件データや内見者の動向を学習させ、不動産会社ごとに独自の仕様ができるよう、サービスの進化を目指しているそうです。
名称:デジタルツイン不動産
価格:<ベーシック プラン>月額利用料3万円、<プレミアム プラン>月額利用料6万円
※両プランともに、ワークメンバー数20、登録物件数3000、公開物件数300 ※無料お試しあり
※<プレミアム プラン>の場合、部屋の簡易採寸(床面と垂直壁面のみ)、部屋のフル採寸(準備中。キッチンシンクなどの建具や、梁面の複雑な形状も)も対応
その他スペック:オプション機能として、VR制作発注などもある
社名:全景
設立:1995年
代表:荒井芳仁
資本金:1億円
事業内容:リアルをデジタルへ投影する手法としてのVR技術・デジタルの成果をリアルへ投影する手法としてのAR技術の研究とサービス開発、機械学習や深層学習のメソッドの普及活動と応用ソリューションの開発、部分を最適化する個別のアプリを連合し一つとして全体最適化を実施可能な技術基盤の開発
本社所在地:石川県金沢市大豆田本町甲48-1
連絡先:電話076-224-4556(代表)