サ高住、募集1年で入居9割 高収益で投資家に好評

2022年03月24日

　太陽ハウス（千葉県松戸市）は2011年からサービス付き高齢者向け住宅の建築・管理を開始しています。サブリース形式をとらず、入居者やテナント募集で稼働率を高め、賃料の5％を管理料とする仕組みで運営。募集から1年で90％の入居率を実現し、家主への収益還元を高めています。

社会貢献や資産拡大を目的とした投資家が建築を依頼

太陽ハウス ／ サービス付き高齢者向け住宅

　約2000戸を管理する太陽ハウスは、2011年からサービス付き高齢者向け住宅（以下、サ高住）の建築・管理を開始しています。15社ほどの運営会社と提携し、茨城県・千葉県・東京都を中心に10年間で25棟を受注しました。通常、サ高住は運営会社が物件を借り上げ、入居者の有無にかかわらず家主に賃料を支払う、いわゆるサブリースの形をとる場合が多いのですが、同社はサブリース形式をとらず、入居者やテナントを募集して稼働率を高め、賃料の5％を管理料として受け取る仕組みで運営しています。

　大手ポータルサイトのほか、ケアマネジャーや病院から紹介を受けるなど独自の集客ネットワークを強みに、募集から1年で90％の入居率を実現。一般管理と比較して手数料の割高なサブリース形式を取らないことで、家主への収益還元を高めています。

　太陽ハウスに建築を依頼するのは、土地活用を考える家主よりも、社会貢献や資産拡大を目的とした投資家によるものが比較的多く、1000㎡以上の土地と建物のセット販売にも引き合いが多いといいます。岩橋保宗取締役は「多くはすでにアパートを所有しており、『一般的な賃貸住宅では入退去の頻度が高く、将来的な安定収入を見込めない』と予想する経営者による受注だ」と話します。2億5000万～3億円程度の資金が必要となるサ高住の建築では、国や自治体からの補助金を申請できる場合があり、属性や案件にもよりますが、それらを頭金として融資を受けることが可能です。こうした点も、富裕層にとってメリットとなっているようです。