【インタビュー】長栄が実践するマーケティング視点の空室対策 物件の発信力強化には、ブルーオーシャンのステージングを狙え!

2022年02月10日

トレンドニュース制作部

 管理会社の永遠のテーマとなる空室対策。京都最大手の長栄では、空室対策にマーケティングの視点を取り入れ、様々な角度から物件を分析する。そんな長栄が昨秋取り入れたクラウドステージングは、同社が従来力を入れてきたホームステージングを、バーチャルに落とし込んだものだ。業界のトップを走り続ける長栄の奥野雅裕上席執行役員に、ステージングの魅力を聞いた。

空室対策に「物件の発信力」という視点を持つ

 長栄では、管理物件における空室対策の考え方として、マーケティングの視点を取り入れている。具体的には、・物件の立地・物件のグレード・賃料設定などの条件面・物件を告知する発信力といった4つの指標だという。長栄が始めたステージング事業は、4つ目の発信力を強くする狙いで始めたものだ。

 物件の発信策について長栄が注視しているのが、大手ポータルサイトでの検索だ。例えば、1つの駅に絞って1Kの物件をサーチしてみる。すると3000件以上に上る空室が表示される。これでは、どれだけ魅力的な物件でも、エンドユーザーに選ばれることは難しい。

家具付きでポータル検索して見ると、希少価値がわかる

 そこで、同じ条件で家具付きのチェックボックスを入れてみたところ、8件に絞られた。表示される物件が少ないほど選ばれやすいため、家具付きが空室対策として有効な手段であると考えられる。こうした点から長栄では、ステージングに注力している。

 単に家具を付ければいい。という話ではない。ステージングをする際の注意点もある。奥野さんは「家具一つ、少し入れるだけでは意味がない。中途半端に施すよりも、全体をコーディネートしたほうが選ばれやすい」と話す。

物件写真にステージング加工 ユーザーから選ばれる空室に変える

 ただ、ステージングには家具購入のコストがかかる。在庫を保管するスペースも必要だ。これらの理由が、管理会社がステージング導入を足踏みさせている。長栄では、こうした問題点を解決するため、バーチャルでのホームステージングを展開している。

クラウドステージングの詳細

 通常の空室物件写真に、家具・家電付きでステージングされた加工を施す。仕上がった画像をポータルサイトや集客ツールとして使用することで、他物件との差別化を図る。「ウェブ上で部屋探しをする消費者に対して、まず目に止まるような物件写真を使うことが重要」(奥野さん)


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