共用部の電気基本料金を4~6割削減する 電子ブレーカー

2023年05月24日

 株式会社エスコ(東京都新宿区)が開発した電子ブレーカー「ECS(エスココントロールシステム)」は、マンションの共用部で使用する低圧電力(200V)の基本料金を、4~6割、削減します。「ECS」はブレーカー本来の安全装置としての機能に加え、電気の使用量を正確に計測することができます。「ECS」を用いて、電力会社との契約を「主開閉器契約」に切り替えることで、使う分だけの基本料金に下げることができます。[最終更新日:2023年5月24日]

エスコ / 電子ブレーカー「ECS(エスココントロールシステム)」


一般的なブレーカーと電子ブレーカーの違い

 ブレーカーは、管理下の電気回路で使用される電気設備で、何らかのトラブルが起きた時に、自動的に電気を遮断する安全装置です。一般的なブレーカーは、最大電流量を超えた時に電気を遮断するように作られており、各電気設備の使用量を計測する機能は持っていません。そのため、回路内の設備が同時に使用されても遮断されないように、同時利用した場合の最大値にあわせた電気契約を設定することになり、その分、基本料金が高くなります。

 一方で、電子ブレーカー「ECS」は、安全装置としての機能に加えて、管理下にあるそれぞれの電気設備が使用した電流値を内蔵のCPUで正確に計測します。そのため、仮に各電気設備が同時利用されても、利用実態に適しているかいないかを判断できるため、実際の使用電力量に即した基本料金プランで契約できるようになります。

▲電子ブレーカー「ECS(エスココントロールシステム)」。CPUが内蔵されている

電力会社との契約を「主開閉器契約」に切り替えて効果を発揮

 電力会社との電気契約には、「負荷設備契約」と「主開閉器契約」の2種類があります。一般的な「負荷設備契約」は、電気設備が必要とする容量能力の総合計、つまり、ピーク時の電力使用量で基本料金が決まります。これに対し「主開閉器契約」は、メインブレーカーで設定された容量により、基本料金が決まります。使用する電流値を正確に測ることができる電子ブレーカー「ECS」を設置し、「主開閉器契約」に切り替えることで、適正な電気の基本料金に設定することができます。

▲電子ブレーカー「ECS」を設置し、「主開閉器契約」へ契約変更することで、基本料金が削減できる

エレベーター付きマンションで年間12~18万円のコスト削減

 マンションの共用部で電気を使用する設備は、照明、給排水ポンプ、エレベーターなどがあります。なかでも、動力設備と呼ばれるエレベーターや機械式駐車場は、電子ブレーカー「ECS」の設置と「主開閉器契約」の切り替えによって、コストを大きく削減できます。

 例えば、エレベーターが設置された30~50世帯のマンションの場合、1棟あたり年間12万~18万円を削減することができます。「エレベーターのように動作と停止を繰り返す設備は、電子ブレーカーの特性と相性がよく、短時間で動いている時間と止まっている時間で使用電力の差が大きく、コスト削減効果が高くなる」(エスコ ソリューション営業部 担当者)

▲契約電力が下がり、コスト削減。エレベーターや機械式駐車場は効果が出やすい

【導入企業の声】半年で電気代12%削減、1年半で導入費用回収も

▲快適空間 瀬田悠希さん

 快適空間(東京都世田谷区)は、東京23区を中心に、投資用区分所有マンションの共用部管理を約250棟受託する管理会社です。オーナー対応業務を担う瀬田悠希さんに「エスココントロールシステム」を導入後、どのような効果が出ているかを聞きました。

―――導入のきっかけは?

 当社が管理するマンションは、ほとんどが投資用マンションです。組合員(区分所有オーナー)の方から、「電気代が高い」というコストダウンを求める声を頂きました。LED照明への切り替えも行いましたが、経済効果が出るまで時間がかかります。対策を考えていたところ、エスコさんから電子ブレーカーの案内をもらいました。組合員の方々に提案すると大半が導入を希望されたので、総会で承認を得た物件から順次導入しています。今、約半数の物件に導入しました。

―――どのくらいコストダウンしますか?

 例えば、70 戸あたりのマンションで電子ブレーカーを導入したところ、半年間で共用部の電気代は約12%下がりました。共用部の電気代は年間予算額144万円に対して、実績は124万円になる見込みです。早ければ1年半ほどで導入費用を回収できそうです。昨今、電気料金の高騰で電子ブレーカーを導入していない物件では、年間4万円ほど請求額が上がっており、コスト削減効果はより高まっています。

―――削減効果が高い共用部設備は何でしょう?

 エレベーターと増圧給水ポンプです。中規模マンションでは、ほとんど設置されています。

―――設置工事はどうでしたか?

 共用部の停電は30分程度で済みました。小型の電子ブレーカーなので、景観上も問題ありません。

―――オーナーの様子は?

 定期報告の際にお会いすると、具体的な数値も出てきたので、効果を感じていらっしゃる様子です。5年待たずに導入費用を回収できそうなので、その点でも喜ばれています。

分譲マンションでは、3万棟の導入実績

 エスコは、マンション共用部や工場、店舗などの施設に対して、これまでに5万台以上の電子ブレーカーを導入販売してきました。なかでも、分譲マンションの共用部には約3万5000棟に導入され、一部の大手デベロッパーでは新築計画から採用されています。2022年より賃貸マンションにも注力し、累計約500棟に導入されています(導入実績は2022年12月時点)。

“電気の保安点検”のプロだからできる、省コストの提案

 エスコは、高圧受変電設備(キュービクル)の保安点検業務から始まった、電気設備のプロ集団です。高圧電力の資格を持つエンジニアが多く所属し、高圧電力の施設に対応するサービスが可能です。電子ブレーカーの開発では、国産部品と国内製造にこだわり、高い性能と品質を堅持しています。さらに、保守サポート面では、緊急時に備えた365日24時間体制のコールセンターを完備しており、安心のカスタマーサービスを持つのも強みです。

 電子ブレーカーの設置には、現地調査のノウハウと、建物に合わせた機器選定、そして、安全に施工する力が求められます。エスコは、電気設備のプロとしてそのニーズに応え、さらに、電気料金をトータルで削減する新電力コンサルティングも行います。

▲エスコは高圧受変電設備(キュービクル)の保安点検を行う電気設備のプロ

導入事例を含めた詳しい資料は…

【商品概要】
名称:電子ブレーカー「ECS(エスココントロールシステム)」
価格:オープン価格 ※詳しくはエスコに問い合わせを
仕様:定格電源電圧100V/200V(周波数50/60Hz)、定格遮断電流10kA、本体消費電力最大4.5W
サイズ:本体外形寸法 W114×H303×D97mm
重量:本体約2.1kg(10A~50A)、本体約2.6kg(53A~125A)
主な材質:ケースPC-ABS、安全カバーPC
環境負荷物質:鉛フリーハンダ使用、欧州指令RoHS適合
対応地域:全国

【会社概要】
社名:株式会社エスコ
設立:2015年(創業2005年)
代表取締役社長:安西 裕
資本金:1億円
事業内容:省エネ・省コスト製品・サービスの導入・ 運用・保守、キュービクル(高圧受変電設備)の保安点検、環境・CO2削減コンサルティング、電気設備工事、省エネ設備更新・改修工事
本社所在地:東京都新宿区北新宿2-21-1新宿フロントタワー12階
連絡先:0120-60-9444(ソリューション営業部)