ホームステージングで空室対策 賃貸の部屋映え進む

2021年11月26日

山本悠輔(全国賃貸住宅新聞)

 いよいよ迫る繁忙期。賃貸の事業者なら「費用を抑えて空室対策をしたい」と思うだろう。そんな中注目を集めているのがホームステージングだ。空室に小物や家具を飾りつけることで、部屋の見栄えが断然違う。管理会社と提供企業に、ステージングの魅力を聞いた。


バーチャルステージングで反響数は高く、オーナーの負担は軽減

▲長栄(京都市)がバーチャル上でステージング加工した部屋。 加工していない空室写真よりも反響数が高い

 長栄(京都市)では、ポータルサイト上で反響を高めるための施策を今秋より始めている。入居募集用に撮影した空室をバーチャル上でステージング加工を行い、目を引く物件写真に仕上げている。加工を施した写真は、他の空室写真よりも反響数が高く、差は歴然だったという。

 家具・家電を実際に配置するのではなく、あくまでバーチャルでのステージングにこだわった事には理由がある。物をリアルに配置して募集をすると、申込があった入居者がレンタルを選択しなかった場合、ステージングした家具・家電の在庫を抱えてしまう。オーナーが買い取るケースが一般的だというが、結果的にコストがかかる。

 長栄では、こうした課題を解消するためにバーチャルでのステージングを選択した。間取りなどは実際の空室を使用しているため、室内での生活感を入居者に与えることが狙いだ。新築分譲マンションの販売時に使用されている広告を参考にしているという。「ステージングを行うことで、部屋での生活やスタイルから選ばれるようになる。賃貸の部屋探しも、空室を提供するのではなく、生活を提案できるようにしていきたい」と奥野雅裕執行役員は話す。


家具を配置して広く見せる ワンルームほど効果あり

▲ ソレイユ(東京都文京区)は 14~16㎡の狭い部屋を広く見せるステージングを心掛けている

 賃貸専門のステージング事業を行うソレイユ(東京都文京区)中林利恵子代表は「ホームステージングでは、部屋を広く見せる事を心がけている」と話す。同社が手掛けている物件は都内のワンルームや1K。14~16㎡の狭い空間に、ベッドとデスクの家具を配置することで、他物件との差別化を図っている。

 ワンルームに家具を置いてしまうと、部屋が狭く見えてしまいがちだ。しかし同社では、適切な場所に無駄なく配置することで、室内の広さを伝えている。「ベッドを置いても使えるスペースがこれだけある。と実感できれば、何も無い部屋より生活イメージが付きやすい」と中林社長。狭い部屋にこそ、ステージングの効果は発揮されるのだという。

 費用は賃料相場の1か月分を目安にしており、家具や装飾品などは全て自前で揃えている。最近は、都内の新築ワンルームマンションのモデルルームとして活用されることも増えていて、早い時には数週間で1棟全戸が満室になったこともある。「賃貸物件では特に、投資効果に注意している。コストを最低限に抑えて申込みが入るようなステージングを提供していきたい」と語る。


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日時:2022年1月27日
配信:YouTubeLive
形式:ライブインタビュー

詳しくは>>費用を抑えた空室対策~ホームステージング~