高齢者の賃貸入居を促進 家主の不安を解消するサービス
2022年08月30日
高齢者の賃貸入居を支援する「ひとり暮らし安心プラス」は、携帯電話のショートメッセージ機能(SMS)を使って、定期的に見守りを行うサービスです。万が一、入居者が亡くなった時には、相続人の要請があれば賃貸契約の解除手続きを行います。部屋を貸す家主側の懸念や心配事を解消し、高齢者が部屋を借りやすい環境を整えます。リスクを抑えながら入居者を獲得したい家主と、よりよい住まいを探したい高齢者の満足を、月額688円~の低価格で実現します
ひとり暮らし安心プラス / ザ・ハウス
定期的な安否確認をSMSで 認知症の兆候を3カ月ごとにチェック
入居者が元気に過ごしている間は、定期的な連絡による安否確認を行います。連絡頻度は、年齢により変わります。もし、安否を確認できなかった場合は入居者に電話し、それもつながらなかった場合は、事前登録された緊急連絡先や管理会社に電話します。
65歳以上の入居者には、認知症の兆候をチェックする「心の健康診断」を行います。3カ月に1度のペースで、5つの質問をSMSで送ります。もし、認知症の兆候を確認した場合は、緊急連絡先に連絡します。
入居者が亡くなった時は賃貸契約の解除を代行
入居者が亡くなった時は、サービス申込時に確認した推定相続人からの依頼があった場合は、賃貸契約の解除や家財処分の手続きを、「ひとり暮らし安心プラス」が代行します(処理費用は含まず)。このスキームは、国土交通省が2021年に定めた「残置物の処理等に関するモデル契約条項」に準拠しています。
「詳しくはこちら(国土交通省「残置物の処理等に関する契約の活用手引き」)」
契約は2年ごと 月あたり688円~で利用可能
契約は2年単位です。利用料金は契約者の年齢と家賃によって決まります(下記参照)。サービスを提供するザ・ハウスの矢野暁社長は、「入居者の負担にならないよう低価格で提供することを第一に考え、過不足のないミニマムなサービスにしようと考えました。料金の目安にしたのは火災保険の料金です」と、話します。
利用者の年齢層は65~75歳が中心
サービスを利用する中心層は、家賃5万~6万円の物件に住む、65~75歳の人です。それまで住んでいた家が建て替えられることになったり、子どもの家の近くに行く、という理由で住まいを探す人が多いようです。既に賃貸住宅で生活する高齢入居者が「子どもに迷惑をかけたくないから」という理由で、問い合わせてくるケースもあるといいます。
【導入企業の声】
手軽な見守りサービス、入居者にも家主にも好評
東洋リーベスト(東京都武蔵野市)
賃貸部部長 丹羽琢郎さん
ピタットハウスのフランチャイズ加盟店、東洋リーベスト(東京武蔵野市)が、「ひとり暮らし安心プラス」を導入したのは、2022年5月です。子供家族が住む家の近所に転居を希望する人などが利用しています。元々、住まい探しのために来店する高齢者や、建て替え等で管理物件から立ち退きする入居者から相談があったそうです。一方で、紹介できる住まいが少なく、審査が通らず断る事例も多かったため、「心苦しさがあった」と賃貸部部長 丹羽琢郎さんは話します。
家主の反応も良いそうです。「SMSを使うため、機器を設置しなくてよいのが好評です。何かあれば当社のスタッフがすぐに駆け付けるので、家主様にもご納得頂きやすいです」(丹羽さん)
丹羽さん自身、孤独死の現場に立ち会った経験もあり、高齢者に部屋を貸す場合、入居者の異常を早く察知する必要を強く感じてきたといいます。「他社の見守りサービスには手厚い内容のものもあります。『ひとり暮らし安心プラス』の良さは、定期的な安否確認連絡など、当社では対応できない内容をリーズナブルな価格でカバーしてくれることです。当社で高齢入居者様を仲介する場合は『ひとり暮らし安心プラス』を今後も利用します。空室が続く物件の家主様には、サービスの利用を積極的に提案します」(丹羽さん)
社員の経験がきっかけで高齢者向けサービスの開発に着手
ザ・ハウスの基幹事業は、注文住宅を建てる施主と建築家や工務店をマッチングするウェブサービスです。その後、システム開発のスキルを活かし、関係会社など外部のウェブサイト構築やIT支援も始めました。「ひとり暮らし安心プラス」は、ひとりの社員が父親を亡くし、母親の部屋を探すことになったことをきっかけに、事業化されました。「その社員のお母様が、元気で明るく快活な方であることを、多くの社員が知っていました。そんな方が、借りられる部屋が限られている実情を知り、高齢者が住まいを探しやすくなるサービスが必要だと考えるようになりました」(矢野社長)
2000年に創業した頃は、手抜き工事による欠陥住宅が社会問題となっていました。消費者が充分な選択肢の中から納得して建築会社を選べるように始めたのが、注文住宅のマッチングサービスだったといいます。「ひとり暮らし安心プラス」を事業化した背景には、創業時と似た社会の要請を感じとったこともあるようです。
商品:ひとり暮らし安心プラス
概要:ひとり暮らしの高齢者向け賃貸サポート
価格:16,500円〜(税込・2年間の料金)
・社名:ザ・ハウス
・設立:2000年4月
・代表取締役社長:矢野 暁
・資本金:19,221千円
・事業内容:「ひとり暮らし安心プラス」の運営、建築家マッチングサービス、
工務店・ハウスメーカーマッチングサービス、
住宅関連書籍の出版、工務店向け業務支援ソフトの提供、
ホームページ制作、システム開発
・本社所在地:東京都渋谷区広尾5-21-2 長谷部第2ビル7F
・コーポレートサイト:https://thehouse.co.jp/
・ひとり暮らし安心プラス:https://anshinplus.me/
・問い合わせ先:0120-174-377(10:00〜19:00 水曜定休)