屋上防水を30年保証する新工法で、建物維持コストを大幅削減

2023年06月15日

 マンション大規模修繕工事の大手、カシワバラ・コーポレーションが、屋上防水を30年間保証する技術「Kプラスルーフガード30」を開発しました。対象となるのは、コンクリート造で平屋根のマンションです。一度施工すれば、その後30年間、屋上防水工事が不要となります。これにより、従来10~15年に1回のペースで必要だった防水工事を、少なくとも1回削減することができます。長期的に見た場合の建物メンテナンスコストを、大きく下げることができます。

カシワバラ・コーポレーション / Kプラスルーフガード30


屋上を30年間守る、耐久性の高い防水シートと工法

紫外線・熱・水の影響から屋上を守る

 「Kプラスルーフガード30」は、高性能の防水シートを使った建物の屋上を保護する工法です。カシワバラ・コーポレーションがドイツの防水シートメーカーと共同開発した、ポリオレフィン樹脂を主成分とするシートは厚さが2ミリあり、一般的に使われている塩化ビニルシートに比べ3倍以上の弾性を備えます。また、時間が経っても硬化せず、伸縮性が損なわれません。その性能で経年劣化を抑えることができます。
 施工にあたっては、既存の防水層を撤去せず、その上から専用の固定具で防水シートを固定します。ジョイント部分は高い施工技術で、シート同士を熱で溶着します。既存の防水層を撤去しないため、天候に左右されず安定的に施工できるのがメリットです。

カシワバラ・コーポレーションが施工ノウハウをもつ、ディスクを使った機械式固定カバー工法
シートを、鍛造処理したバネ性のあるディスクとスパイクで固定。その上からさらにシートを溶着。風圧力がかかっても反り返りや緩みがなく、長期間引張強度を保持する

10~15年ごとに必要だった屋上防水工事を、1回飛ばす

長いスパンで考えれば、従来の工法に比べて、屋上防水工事の費用はおよそ半分に

 カシワバラ・コーポレーションの「Kプラスルーフガード30」は施工から30年間、防水性能を保証しています。そのため、一般的に10~15年単位で実施する屋上防水工事を、1回飛ばすことができます。10年ごとの点検は行いますが、状態が良好であれば、30年を超えても追加の防水工事を必要としません。
 マンションの大規模修繕費用に占める屋上防水工事の割合は、およそ2割です。そのため、「Kプラスルーフガード30」で施工したマンションは、30年単位で見ると大規模修繕コストを実質的に約1割削減できることになります。雨漏りによって入居者の資産や、建物の資産性が失われるリスクを抑えることができます。


分譲マンションで40棟の実績

 「Kプラスルーフガード30」は、2020年に開発され、これまでに分譲マンションで40棟の実績があります(2023年5月現在)。工事を発注したマンション管理組合の声を紹介します。

■導入したマンションの声 1(東京都)
「屋上防水工事を控えたタイミングで提案をもらいました。30年後のシミュレーションをしてもらい、この工法と一般的な工法を比較すると、コストを抑えることが明らかだったので導入しました」

■導入したマンションの声 2(神奈川県)
「建築資材の高騰もあり、大規模修繕工事の費用も上がっています。長期修繕計画を作る上で、確実にメンテナンスコストを削減できることから、この工法に決めました」

■導入したマンションの声 3(千葉県)
「『建物の寿命を延ばせる』『コストを抑える』の説明を聞いて、見積りを出してもらい、納得できました。これなら費用対効果が見込めるとわかり、理事会にはかると賛成を得ることができました」


大規模修繕工事のプロが、建物の長寿命化をめざして開発

建物には長期視点での計画修繕が求められる。賃貸住宅でも…

 カシワバラ・コーポレーションは、工場の設備メンテナンスで技術を養い、その後、建物メンテナンスに事業を拡大しました。マンションの大規模修繕市場においても、豊富な提案力により、業界トップクラスの実績を重ねています。
 鉄筋コンクリートの構造物であるマンションは、適切なメンテナンスを行わないと寿命が短くなります。築20年を過ぎたくらいで、屋根、壁面、鉄部を皮切りに、玄関扉や給排水設備など、様々な場所で改修が必要となります。そのため、賃貸マンションにおいても、建物の寿命をのばす対策として、適切な修繕計画と、計画を実行に移すための資金計画が必要です。
 カシワバラ・コーポレーションは、建物の超寿命化を考える賃貸オーナーや賃貸管理会社の相談を、積極的に受けていきたいということです。


導入事例を含めた詳しい内容は…


【商品概要】
商品名:Kプラスルーフガード30
費用:※現地調査が必要。詳しくはカシワバラ・コーポレーションに問い合わせを
シートの主な素材:ポリオレフィン樹脂
シートの規格:製品形状2.0mm×1,050mm×20m、比重1.0g/cm3、物性値[引張強度(DIN EN12311-1 Method B)≧7N/mm2、破断伸長度(DIN EN12311-1 Method B)≧500%、溶着部せん断強度(DIN EN12317-2)≧400N/50mm、水密性(DIN EN 1928 Method B)≧10kPa、水蒸気透過性(DIN EN 53122)0.2g/m2/day
その他:国土交通省より「防火材料」として認定されている(認定番号DR-2025)。密集地域での使用も可能
施工対象:鉄筋コンクリート造の陸屋根(平屋根)
対象エリア:全国

【会社概要】
社名:カシワバラ・コーポレーション
設立:1953年
代表取締役:柏原伸介
資本金: 2億5010万円
事業内容:マンション修繕事業、インフラメンテナンス事業、不動産開発事業、建築事業、リフォーム・リノベーション事業、金融事業、商社事業、通信事業、建物管理事業、不動産賃貸事業、広告事業、その他
従業員数:単体932人、連結1680人(2023年4月30日現在)
本社所在地:<東京本社>東京都港区港南1-8-27 日新ビル9階、<岩国本社>山口県岩国市山手町1-5-16
連絡先:電話0120-48-4116(平日9:00〜17:00)