ロープを用いた無足場工法　外壁修繕工事の足場費用を削減

2022年05月18日

　大規模修繕工事を手掛けるTRAWE（トラウェ：埼玉県戸田市）は、足場の設置や解体をせずに外壁の修繕工事を行う無足場工法を行っています。屋上からロープを垂らして工事や調査に入るので、雨漏れやタイルの剥離など緊急性の高い工事にも迅速に対応でき、工事費用の削減に寄与します。

低コストで短工期。ピンポイントの補修工事も可能

TRAWE　／　無足場工法

外壁の修繕工事などを手掛けるTRAWEは、足場を組まない無足場工法を2019年から行っています。

無足場工法は、通常２日～１週間ほど時間がかかる足場の設置を行わず、職人の体に結ぶロープを屋上から垂らすだけで工事や調査に入ることができます。外壁からの雨漏れや、タイルの剥離など緊急性の高い工事でもすぐに対応でき、足場設置費用の削減にも寄与します。外壁の一部を補修、あるいは、漏水により一部をシーリング、タイルの剥落を直すなどのピンポイントの補修工事も可能です。足場がないことで工事中に空き巣が入るという心配もなく、入居者の不安も軽減します。

石の建造物が多く、大規模修繕の文化が進んでいるヨーロッパでは、このロープを使った外壁修繕が主流です。そこで同社は、日本ではまだ浸透していないことに商機を感じ、無足場工法を始めたそうです。一般社団法人日本産業用ロープアクセス協会（兵庫県加古川市）の技法を取り入れることで、安全な工事を実現。年間約120件の外壁修繕工事を無足場工法で行い、その多くが7階以上の建物です。土屋英樹取締役は「隣の建物との間が狭く足場が設置できず困っているオーナーや管理会社も多い。体が入ればどんな環境でも工事ができる無足場工法の認知度を広げていきたい」と語ります。