大事な入居者を営業電話から解放、空室期間の電気も確保「空室でんきコンシェル」

2025年09月01日

　新電力のエバーグリーン・リテイリング（東京都中央区）が、賃貸住宅の空室期間中に、基本料金無料で電気を供給する「空室でんきコンシェル」の販売を、2025年7月に開始しました。入居者は、QRで読み込むフォームから自ら契約を行うため、取次会社からの営業電話がかかってきても対応する必要はありません。管理会社も、営業の手間をかけることなく、代理店収入を得ることができます。

空室でんきコンシェル　／　エバーグリーン・リテイリング

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管理会社の業務効率、大幅改善

　スマートメーターの普及により、空室期間に電気供給が事前通知なく停止されるエリアが増えています。入居希望者を内覧する際に、照明やエアコンが使えないことも珍しくなくなりました。

　エバーグリーン・リテイリングが提供する「空室でんきコンシェル」は、基本料金0円で、空室期間中の賃貸住宅に電気を供給するサービスです。使用状況に応じた従量課金なので、経済的に利用できます。また、空室時に一定量以上の電気が使用されると、管理会社にメールで通知する、電気使用アラート機能も備えています。内見時にうっかり電気やエアコンをつけっぱなしにしたり、新しい入居者が電気申込を忘れて住み始めたりした際にも、早期察知することが可能です。

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管理会社は継続的な代理店フィーを獲得

　空室への通電・廃止の依頼は、「空室でんきコンシェル」システムの画面にてワンクリックで完了します。申し込み状況はシステム上で一元管理できます。請求書は1枚にまとめて届くので、経理担当者の作業効率も向上します。システムの使用料は無料です。そのため、管理会社は空室通電にかかっているコストを、大きく削減できます。
　また、入居者が同社と電気契約を交わした場合、管理会社は、継続的な手数料収入を得ることができます。

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入居者の申込手続き、QRコードから

　入居者は電気契約をする際に、スマートフォンでQRコードを読み込み、専用フォームから情報入力をするだけで、手続きを完了することができます。一刻も早く通電したい場合は、専用ダイヤルで手続きが可能です。ライフライン契約を案内する電話がかかってきても、契約済みであることを伝えれば対応の必要はありません。

　部屋探しをする人の間では、問い合わせる不動産会社を選ぶ際に、Googleマップ上のクチコミを参考にすることが珍しくありません。ライフライン契約に関わる営業電話を嫌がる人が多い中、「空室でんきコンシェル」は、マイナス評価を防ぎたい管理会社から、評価を獲得しています。

　エバーグリーン・リテイリングが提供する電気料金プランは、すべてCO₂排出量ゼロのプランです。実質100%再生可能エネルギー由来なので、入居者には環境にやさしい電力として訴求でき、物件の付加価値向上にもつながります。

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全国で拡大する空室通電停止問題

　空室時の電気が予告なく停止されるケースが全国で増加しています。通電していたとしても、突然使用できなくなる可能性があり、内覧時の支障や寒冷地での水道管破裂といった問題に直結するリスクが高まっています。

　大手電力会社は不動産管理会社向けに、電気の短期使用者向けサービスを提供しています。これは、空室通電に関わる契約管理業務を省力化するための施策です。しかし、仕様がわかりづらかったり、初回利用時には物件登録の必要もあり手間が多く、業務の負担が増えています。また、エリアによっては、短期使用サービス自体がまだ提供されておらず、都度、電話申込が必要でこちらも不動産管理会社の業務ひっ迫に拍車をかけているのが現状です（2025年8月現在）。

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再生可能エネルギーのイーレックスと、TEPCOが親会社

　エバーグリーン・リテイリングは、再生可能エネルギー由来の電力を供給するイーレックス（東京都中央区）と、東京電力エナジーパートナー（東京都中央区）が出資する電力販売会社、エバーグリーン・マーケティングの完全子会社です。信頼性の高い事業基盤を背景に、集合住宅や一般家庭、小規模店舗に向けて、低圧電力を販売しています。

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