ビジネスシーン「あるある」のストーリーでITスキルを習得 マンガで学ぶオンライン学習

2022年05月26日

 WHITE(横浜市)が展開している『MENTER』は、企業のデジタル人材育成に向けたオンライン学習サービスです。ターゲットは営業部や管理部などパソコンを使用する文系人財で、漫画を取り入れた教材などでITスキルを習得させ、社内全体のリテラシー向上に寄与しています。サービスの概要と不動産業界でのニーズについて、横山隆社長に話を聞きました。

知識の詰め込みではなく「行動改革」に繋げる学習

WHITE(横浜市) / MENTER

―――『MENTER』とはどんなサービスなのでしょうか?

 Excel関数などビジネスシーンで必要となるITの基礎知識やリモートワークに必要となるスキルをオンラインで学習できるサービスです。パソコンだけでなくスマホからでも受講できるようになっています。

 講座は、会社員の主人公がビジネスシーンで直面する様々な課題をITで解決するストーリーに沿って展開されていきます。漫画テイストの動画を閲覧したり、チャットボットの問いかけに返答しながら学習を進めていきます。「便利なショートカットの使い方」や、「リモートワークのリスク」といった初歩的な講座から、「業務自動化の方法」といった応用講座まで、幅広い講座を揃えています。

WHITE(横浜市) 横山隆社長

―――費用は?

 基本的には1人あたり月額3200円となっていますが、社内での受講者が増えるほど単価が下がる仕組みになっています。

―――どうしてストーリー仕立ての講座にしているのでしょうか?

 ただの知識の詰め込みにならないよう、受講者の行動改革に繋がるようなサービスにしたいと考えたためです。受講者にはビジネスシーンで陥りがちな失敗を紹介する漫画テイストの動画を2分程度視聴してもらうのですが、こうしたエピソードから入ることで、受講者が当事者意識を持ちやすくなります。

▲実際によくあるエピソードで、実践的なスキルを習得する

 例えば、リモートワークの際に主人公がオンライン会議に参加するのですが、主人公が画面共有をした時にYouTubeの検索履歴が見られてしまい、副業していることが発覚する、というエピソードがあります。これはリモートワークに関する講座で、オンライン会議ツールの「シークレットモード」の使い方を教える時に使用しているエピソードです。実際によくある実例から知識をインプットすることで、実践できるスキルとして身に着くのです。

 また、動画以外の部分でも、受講者に実際に作業を行ってもらう講座も用意しています。例えば、Excel関数の講座では、解説した内容に沿って実際にExcelで関数を入れてもらい、正誤を判定します。大切なのは、しっかりと使えるように習得してもらうということだと考えています。

―――動画に漫画を取り入れたのも同じ理由ですか?

 その通りです。以前はクイズ形式の学習を行っていたのですが、実践できるスキルとして身に着けてもらうため、2021年11月から漫画で具体的エピソードを伝える講座をリリースしました。

―――導入企業は『MENTER』をどのように活用していますか?

 新入社員の研修として活用している企業も多いです。基礎レベルのパソコンスキルの習得なら2~3週間受講してもらうだけで習得できます。それ以外にも、業務時間内に受講時間を定めて従業員に受講させている企業も多いですし、通勤など隙間時間にスマホでの受講を推奨している企業もあります。

▲「ITを作るチカラ」ではなく「ITを使いこなすチカラ」の習得を目指す

 講座は1講座あたり5分程度のコンテンツを12~15種類用意しています。導入した初月は11講座が受講でき、その後一か月毎に受講できる講座が増えていくようになっています。最初から講座数が多いと受講率が上がらないためです。導入企業によって講座数やスケジュールはカスタマイズすることができます。

社長対象のパーソナルトレーニングも

―――どのような反響がありましたか?

 建築関連の企業では、ITスキルが低いベテランスタッフの行動が変わったと反響をいただきました。以前はパソコンの使い方がわからず、いつも周囲の人に質問し、部署内の業務効率が下がっていたのですが、受講後はウェブ検索やマニュアルなどを使って自分で問題を解決できるようになりました。その結果、数か月後には伝票の電子化や動画マニュアルの導入など10項目でIT化の稼働・検討が進められました。

 DX推進を目指している小売会社の社長にパーソナルトレーニングを依頼されたこともありました。学習と並行して毎週ミーティングを開き、質問や課題に都度答えるというスキームです。その結果、数か月後には伝票の電子化や動画マニュアルの導入など10項目でIT化の稼働・検討が進められました。

―――不動産業界でも導入している企業はありますか?

 はい。全社員に対してではなく、まずは10人の受講者を集めて利用したいという声がありました。ベテラン社員の中には「ITはちょっと…」という感じで『MENTER』に対して抵抗感を持つ人もいたようですが、まずは少人数ではじめて成果を出し、全社導入を目指すそうです。不動産業界では今後もDX推進は広がると思うので、こうした抵抗感を持つ人に対して少しずつ理解をしてもらうことが大切だと思っています。家主がDXに対応できていなくても、取引先などでデジタル化は進んでいると思うので、今後はさらにニーズが高まると考えています。

【商品概要】

名称:MENTER(メンター)
価格:月額〜3200円/1人(別途初期費用12万5000円)

【会社概要】

社名:WHITE
設立:2017年
代表取締役:横山隆
資本金: 380万円
事業内容:DX支援事業、文系DX人材育成事業
本社所在地:神奈川県横浜市中区尾上町3-35
連絡先:電話050-5212-5784