営業マンの商談スキルを「見える化」 ソリューション・セールスを身に着けるオンラインサービス

2022年09月08日

 リープ(東京都品川区)が提供する『スキルパレット』は、営業における商談スキルをオンラインで習得する学習サービスです。商談で求められる「顧客の課題を把握する能力」と「課題に即した提案力」をAIと専門家による分析で“見える化”し、客観的に商談能力を高めることができるといいます。サービスの内容について、堀貴史代表取締役に話を聞きました。

▲感覚的であいまいな商談スキルを可視化する学習サービス

商談動画をAIと専門家が分析・評価 顧客の課題を正確に掴め

リープ(東京都品川区)/スキルパレット

――『スキルパレット』はどのような学習サービスなのですか?

 企業の営業担当の商談スキルを向上させるオンライン学習サービスです。顧客との商談で必要となる対話に着目し、受講者の商談スキルを独自に開発したAIと専門家の評価によって可視化します。

 従来、商談スキルは勘と経験で培うものとされており、客観的に評価・育成する仕組みがありませんでしたが、スキルパレットを利用すれば現状の習得具合を可視化しながら成長させることができます。

▲堀貴史代表取締役

――AIでどのように評価するのでしょうか?

 受講者が商談シーンを動画で撮影してスキルパレット上に投稿すると、動画の商談内容をAIと専門家が分析・評価します。動画は社内の教育担当者と撮影したものでも、実際の商談でも構いません。「語法・技術」「文脈」「論証構造」の3つの観点から動画を解析し、評価します。

――「商談での話の進め方」を見える化するようなイメージでしょうか?

 商談での対話方法を論理的に身に着ける、といった方が正確です。商談では「顧客の課題を把握する」と「課題に対して提案する」という2つのパートがあります。顧客の課題を把握せずに自社の商材を一方的に提案しても成果につながりません。顧客も自分が抱える課題という大切なことは、簡単には話してくれません。

 しかし「何も話してくれなかった」では商談が上手くいきません。周りから得られる情報や過去の経験も駆使しながら、最適な質問を投げかけて顧客の課題を探っていく必要があります。そうして得られた顧客の課題に対して提案を行うわけですが、これも一方的に言いたいことを言うのではなく、課題に即した提案を行わなければなりません。こうした商談の一連の流れを、AIと専門家の分析によって向上させていくのです。

――具体的にはどのように学習を進めるのでしょうか?

 まずは学習開始前に、研修におけるゴールを設定します。このゴールは受講者、つまり営業担当者にとってのゴールではなく、その人が在籍している組織としてのゴールです。

 次に、受講者の商談シーンをスキルパレットに投稿します。先ほど紹介したように、動画の内容をAIと専門家が分析し、現状の商談スキルを可視化し、向上すべきスキルや覚えるべき知識を5~10分程度の動画を視聴するマイクロ・ラーニングで習得します。

 マイクロ・ラーニングは3段階のステップに分かれています。ステップ1の「ロジック」では対話の論証構造を学び、ステップ2の「仮説思考」では顧客が抱える課題を推論する思考力を学びます。ステップ3の「質問技法」では顧客の課題を正確に掴むための表現や対話能力を磨きます。

▲学習課題の分析・評価をふまえ、適した動画講座を提供する

営業提案は、オーナーが抱えている課題を把握した上で行うことが大切

――なぜこうしたサービスをはじめたのですか?

 私は以前、製薬会社に営業として勤務していました。その時に、自分の商談で何が良かったか、何が成果につながったのかを数量的にデータ化したいと考えたのがきっかけでした。

 例えば、「商談には笑顔が大事」とよく言いますよね。でも、それって本当でしょうか? マニュアルにはそう書かれていても、実際には笑顔と成約には因果関係はないのかもしれません。こうした俗人的な商談のノウハウを見える化すれば、営業担当はもっとスキルアップできますし、ノウハウを共有すれば組織として目標達成しやすくなります。

 こうした思いから弊社ではこれまで25社以上の製薬・ヘルスケア関連企業に向けてスキル評価やトレーニングサービスしてきたのですが、2022年4月からはより広く、企業の営業担当に向けた学習サービスとして展開を始めました。

――どんな企業が利用していますか?

 受講者の7割が製薬会社で、その他3割はIT企業やメーカーなどです。製薬企業が多いのは、私自身の人脈によるところもありますが、人材育成への投資額が圧倒的に高い業界だからだと思います。外資系が多く、科学的根拠に基づいた人材育成に対する関心が高いため、経験則による教育では通用しないのです。以前は製薬会社も医師への接待などといった付き合い重視の営業が主だったのですが、最近は人付き合いだけでは成約しません。顧客の課題を把握して提案を行う「ソリューション・セールス」が必要になっています。

 このような営業スタイルの変化はどの業界でも同じ傾向にあると思います。不動産業界ならば、大家さんや地主さんが抱えている課題を把握した上で営業提案を行うことが大切でしょう。

【商品概要】

サービス名:スキルパレット
費用:要問い合わせ(600万円/60人・半年 など、業界・企業に合わせて設計する)

【会社概要】

社名:リープ
設立:2015年
代表取締役:堀貴史
資本金:1500万円
事業内容:企業の事業目標達成に向けた教育戦略の支援、及びコンサルティング
東京本社所在地:東京都品川区東品川2-2-25 サンウッド品川天王洲タワー3階
連絡先:電話03-3471-3540