工事見積りをAIが分析 ビッグデータで適正価格を算出
2023年01月17日
「工事ロイド」は、AIが工事見積もりの適正評価をするクラウドサービスです。修繕や設備工事の見積書をアップロードすると、AIが自動で適正価格を算出し、見積もりの分析シートと、工事の単価目安などを作成。建材や設備、約33万商品の価格をビッグデータ化することで適正価格を出しています。「工事ロイド」の実績では、見積もりと比べ、その査定額は平均約20%減少しています。
見積もりと比べ、査定額は平均約20%減
THIRD / 工事ロイド
建築・不動産IT企業のTHIRD(サード:東京都新宿区)は、2021年10月からAI(人工知能)が工事見積もりの適正評価を行うクラウドサービス「工事ロイド」を提供しています。同社の井上惇社長は、「工事ロイドのリリース後、ビルメンテナンス会社だけでなく、賃貸管理会社や不動産投資家からの相談も受けており、反響の大きさを実感している」と話します。
修繕や設備工事の見積書を「工事ロイド」にアップロードすると、AIが自動で適正価格を算出。これまで、工事を発注する企業で難しかった、適正価格の把握に対応しています。AIによる自動査定で、見積もりと査定額を比較した分析シートと、工事内容についての単価目安などを記載したシートを作成し、査定額の根拠も示します。同社は、建材や設備について約33万の商品価格をビッグデータ化し、そこから適正価格を出し、価格の季節変動がある商品は、直近の卸値を基に自動計算されるという仕組みです。人件費についても、工事ごとにかかる時間、職人に支払う費用など現実的な価格を示します。
「工事ロイド」の実績では、見積もりと比べ、査定額は平均約20%減。査定額で工事を依頼したい場合は、THIRDに相談すれば、査定額で施工する会社や事業者を紹介してもらえます。井上社長は「建物情報は、会社で例えるならばIR(投資家向け広報)であり、投資における信用度を判断する基準になる。そのため、工事履歴などの建物情報を調べられるプラットフォームの提供も現在検討している。不動産の流動性が高まり、中古住宅の流通を加速させることにもつながると考える」と話します。
名称:工事ロイド
価格:詳細はTHIRDに問い合わせを ※「無料トライアル」あり
主な機能:AI自動見積査定、自社見積自動作成、工事手配サポート、工事手配に必要な依頼書の自動作成、工事事前申請書類の自動作成、各種工事完了報告などの自動作成
その他スペック:【AI査定の対応工種】電気工事、機械工事(建築工事は査定対象外、メーカー保守工事も対応外)、【工事の発注】AI査定結果で工事を発注したい場合はTHIRD所属の現場監督経験者による各種工事の手配も可能
社名:THIRD
設立:2015年
代表取締役:井上 惇
資本金:30億7000万円(資本剰余金含む)
事業内容:AIによる建物管理クラウドシステム「管理ロイド」、工事見積の適正価格が分かるAI査定・発注支援クラウドシステム「工事ロイド」などの開発・提供など
本社所在地:東京都新宿区四谷4-25-13濱庄ビル2F
連絡先:問い合わせフォーム、または、電話050-3161-6971(平日9:00~17:00)