法人保有の不動産売却益を最大化する、「不動産M&A」のすべて
2024年09月25日
フジ相続不動産コンサルティング
不動産評価、不動産オーナーの相続など、不動産に特化したコンサルティングファームのフジ総合グループは、不動産M&Aを使った不動産の現金化を提案しています。不動産M&Aは、不動産保有に特化した法人の株式を売買する、企業M&Aの一種です。不動産M&Aで株式を売却すると、不動産そのものを売却するよりも手残り額を増やせる可能性があります。大阪事務所長で不動産鑑定士の住江悠さんに話を聞きました。
不動産M&Aとは、どういうものか。
フジ総合グループが「不動産M&A」と定義するのは、不動産保有に特化した法人のM&Aです。
不動産M&Aが、不動産の現物譲渡に対して、必ずしも優れている訳ではありませんが、不動産の価値と適用される税を鑑みて、手残りが多い方を事案ごとに選び、不動産を現金化する際の選択肢を拡げて欲しいと考えています。
不動産M&Aと、不動産の現物譲渡には、具体的にどういう差が生まれるのか。
不動産の現物譲渡と不動産M&Aによる現金化との手残り金額の差を比較してみます。
<法人が保有する不動産を現物で譲渡し、株主である個人で現金を受け取る場合>
初めに、譲渡益にかかる「法人税」等が発生。
次に、会社を清算し、個人として残余財産の分配を受ける時に、「所得税+住民税」の総合課税の対象に。
<不動産保有に特化した法人の株式を譲渡する場合>
株式の譲渡益が「所得税+住民税」の分離課税の対象に。税率は一律で20%。
・例/簿価5000万円、時価1億円の不動産を現金化する場合
※法人の資産は不動産のみ、負債なし、株式の取得原価は1,000万円、株主は1人(個人)、みなし配当所得以外の所得は1000万円と設定
<不動産を現物で譲渡>
⑴ 譲渡益5000万円に法人税等35%(1750万円)が課税される。
手残りは1億円-1750万円=8250万円
⑵ 法人を清算し、法人から残余財産8250万円を受け取る。
⑶ 配当所得は所得税+住民税の総合課税対象。最高税率55%が適用され、手残りは4932万5000円。
<不動産M&Aで株式を譲渡>
⑴ 株式の譲渡益9,000万円が、所得税+住民税の分離課税(税率20%)対象に
⑵ 8200万円が手残り
不動産M&Aの方が、3267万5000円手残りが多い
不動産M&Aを検討するべき法人とは?
次のような状況にある法人に、特に検討して頂くものです。
・「設定した売却価格で長期間買い手がつかない不動産」を保有する法人
・自社ビルを売却し、少しでも多くの資金を確保したい中小企業
例えば、一定の現金が必要で、不動産の売却価格を高く設定したものの、いつまでも買い手がつかない時に、不動産M&Aを使えば、株価の前提となる対象不動産の設定価格を下げられる可能性があります。利回りが上がれば、買い手がつきやすくなります。買い手がつかない不動産を抱える不動産会社も同様です。
本業の事業会社で不動産を保有する企業が、代替わりする際などに、本業を分社化し、不動産だけを保有する法人と分けることで、不動産M&Aによる不動産の現金化が可能です。
フジ総合グループが不動産M&Aを推進する理由は?
不動産保有に特化した法人のM&A仲介には、株価の評価や株式譲渡の手続きといった企業M&A仲介の知識に加え、保有する不動産価格が適正か判断できなければなりません。そのため、不動産の鑑定力と取引実績が重要です。さらに、現物を売買した時と比較して、どちらが得か、手残り額を試算しなければならず、税務の知識も不可欠となります。グループ内に税務を行う「フジ相続税理士法人」と不動産評価を行う「株式会社フジ総合鑑定」を持ち、長年、税務や、不動産に特化したコンサルティングを行ってきた我々にとって、不動産M&A仲介は、強みを発揮できる分野なのです。
一方で、宅地建物取引士の資格が必要な不動産仲介と異なり、企業M&A仲介には資格が必要なく、誰でも行うことができます。不動産M&A仲介も企業M&A仲介に含まれるので同様です。不動産を値付けした経験のない人が一般的な企業M&Aと同じように企業価値を判断すると、不当に安い株価で売却されてしまう可能性があり、注意が必要です。
また、M&A取引では、デューデリジェンス(※)を、買い手側が行うのが慣習となっています。
※売却対象企業、事業等に対する実態を事前に把握し、価格や取引について適正な判断をするための調査
しかし、不動産の取引では、売り手が買い手にあらゆる情報を開示し、契約時に重要事項説明を行わなければなりません。不動産M&A仲介も、法的には無資格者が行っても問題ありませんが、実際は不動産取引にならうべきです。そのため、不動産取引に精通した事業者が行う必要があります。
フジ総合グループは、相続と不動産分野に特化したコンサルティングサービスを提供しています。1992年の設立以来、相続専門の税理士と不動産鑑定士が連携し、約9,600件の相続案件を扱ってきました。グループの特徴として、相続と不動産の専門知識を組み合わせたアプローチを採用し、独立系の事務所として、中立・公正な立場からのアドバイスを提供します。
商品名:不動産M&A
価格:応相談
社名:株式会社フジ相続不動産コンサルティング
設立:1987年
代表取締役:住江悠
資本金:500万円
事業内容:地主・不動産オーナーの資産コンサルティング業務
従業員数:4人(フジ総合グループ全体で135人)
所在地:東京都新宿区新宿2-1-9 @WORK SHINJUKUGYOEN 9F(大阪・名古屋にも拠点あり)
連絡先:0120-39-3704/soudan@fuji-sogo.com
不動産M&Aお問い合わせフォームhttps://fuji-sogo.tayori.com/f/manda/
URL:https://fuji-sogo.com/
\全国賃貸住宅新聞に連載<全3回>掲載中/
第1回 不動産M&Aの概要とメリット