実は火災に強い木材
知識を生かした木製防火ドア

2022年03月14日

 阿部興業(東京都新宿区)は、ホテル・集合住宅向けの木製防火ドアを販売しています。長年、木製ドアを研究・開発してきた知識から、木材の質感や意匠を活かしたうえで、国が定める燃焼試験をクリアした遮炎性を確認した構造となっています。

▲威圧感を与えない、木の温かみを大切にしたデザイン

木材の特性を研究し、メリットを生かした防火ドア開発で木製でも認定を受ける

阿部興業/ ホテル・集合住宅向け木製防火ドア

 障子やふすまなどの木製建具がルーツの阿部興業では、長年に渡って木製にこだわり、木材の性質を生かした商品を展開しています。その中で、木材は燃えやすいというイメージですが、実は火災に強い素材であることに着目し、国の認定が必要な防火ドアの開発を行いました。木の温かみやデザイン面を重視した木製防火ドアは、ホテルや商業施設はもちろん、一般住宅やマンションでも導入されているそうです。

▲木材はもちろん、ドアに使用する金物の耐火テストも行っている

 木材の特徴として、熱伝導率が低いことが上げられます。金属製の場合、熱伝導率が高い素材が多く、熱せられると表面が熱くなります。同社の実験では、木製防火ドアを60分間945度の炎に当てても、反対側の扉表面温度はその直後であっても77度前後。金属製の場合は、木製対比2倍~3倍になるとも言われており、火災時の避難安全性においても優れていると考えられています。さらに、「大きな建物になればなるほど、防火・防災の基準は年々あがっている」と同社商品部横山飛雄馬課長は話します。性能面と意匠面のバランスを考慮した、建具選びが必要な物件は増えてきているようです。

 現在、防音ドアの需要も高まっているとのこと。以前は、スタジオや音大生向け賃貸などでの導入が主流でしたが、リモートワークの普及により一般住居でも防音性を求めるケースが増えたようです。さらに、換気と防音性能を両立したドアなど、幅広い需要をキャッチし、商品開発を進めていくとのこと。

【商品概要】
名称:ホテル・集合住宅向け木製防火ドア
価格:製品により異なる
種類:片開、片袖付片開、両開各3タイプ展開
サイズ:制作可能サイズ内にてオーダー制作

【会社概要】
社名: 阿部興業
創業: 1945年
代表取締役社長:阿部清英
資本金: 2億円
従業員数:242人
事業内容: 木製ドア・建具・造作家具のトータルサプライヤー
本社所在地:東京都新宿区新宿1-7-10
連絡先:(電話)03-3341-9021